【316】 中山道歩きで見たモノいろいろ(3):信用金庫・信用組合(前篇)

2005年から中山道の宿場を訪問しはじめ、全宿場に足跡を残しました。 旧宿場町や旧街道を歩いていると、自動車なら気付かずに通り過ぎてしまうようなチョットしたモノも目に入ります。 ふだんの生活で当たり前にあるものでも、その地方ごとにチョット違っていたりしますし、裏道になり下がった旧中山道には、現在の表通りとも言える国道や、そのバイパス道では見かけられないようなモノが残っていたりするものです。 今回は信用金庫と信用組合にスポットを当ててみましょう。 金融機関は全国にあまたあり、特に「郵便貯金」は郵便局が全国に存在しているので「旅行貯金」と言われ各地の郵便局で、その地を訪れた記念に貯金してくるといったことさえ行われています。 全国規模で存在している郵便局に対して、地域的に営業エリアが限られているのが地方銀行や信用金庫、信用組合です。特に信用金庫、信用組合はそのエリアは小さく、そうした金融機関の看板を見ると、遠くまできたのだという実感がわきます。 中山道沿道や、通りかかったその付近の信用金庫・信用組合の店舗の写真を東から西へ向かってご紹介していきましょう。 **************************** 最初は東京都千代田区に本店がある「全東栄信用組合」です。 写真は、その十条支店です。中山道から少し外れていますが、板橋宿を訪問後、十条駅まで歩いたときに通りがかりました。2005年5月27日の撮影です。 なお十条支店は2012年に新装オープンしたとのことで…

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【315】 思い出の乗務列車5:関西本線 223列車(前篇)「帽子がぁ~(@_@)」

貨物列車の話が続きましたので、今回は客車列車を取り上げてみましょう。 私が関西本線名古屋口にかろうじて残っていた旧型客車に車掌として乗務していたのは1981年~1982年(昭和56~57年)の間です。客車列車の乗務は今の電車列車や気動車列車とは勝手が違うことが多々ありました。その仕事内容については、拙ブログで、 【64】 乗務した車両:旧型客車(1) 【65】 乗務した車両:旧型客車(2) 【66】 乗務した車両:旧型客車(3) で3回に分けて記しましたので、今回は仕事の内容についての詳細な記述は割愛します。 当時、関西本線名古屋口に残っていた旧型客車列車はDD51が牽引しており、使用される客車は名古屋客貨車区所属の旧型客車5両編成が基本となっていて、一部列車はその基本編成に2両の付属編成を増結して7両編成での運転されていました。付属編成は名古屋客貨車区と亀山客貨車区に1編成ずつが使用されていました。 旧型客車を使用した列車は、下りが6本、上りが5本ありました。下り列車のほうが1本多いのは、2両の付属編成だけを2組連結して運転された下り列車が1本あったからで、それがこの223列車でした。 223列車は名古屋を午前10時過ぎに亀山に向けて発車する普通列車でした。 たった4両で名古屋駅を発車するわけですが、時間帯から考えても想像がつくように、乗客はいつも少なくて、のんびりした列車でした。亀山まで1時間39分もかかりましたが、別にこの列車が特別に遅いわけではなく…

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【314】 中山道歩きで見たモノいろいろ(2):ホーロー看板★明るいナショナル★家電系

2005年から中山道の宿場を訪問しはじめ、全宿場に足跡を残しました。 旧宿場町や旧街道を歩いていると、自動車なら気付かずに通り過ぎてしまうようなチョットしたモノも目に入ります。 ふだんの生活で当たり前にあるものでも、その地方ごとにチョット違っていたりしますし、裏道になり下がった旧中山道には、現在の表通りとも言える国道や、そのバイパス道では見かけられないようなモノが残っていたりするものです。 今回は古い家電系ホーロー看板にスポットを当ててみましょう。 **************************** 2005年9月19日 贄川で撮影。 家電メーカーとして名高い松下電器産業株式会社は2008年にパナソニック株式会社に商号変更しました。松下電器では「ナショナル」ブランドが広く知られていましたので、私のようなジジイには「明るいナショナル」にはなじみ深い響きがあります。 2006年4月15日 加納~河渡で撮影。 上の写真はガス屋さんのようですが、この「ナショナル坊や」が描かれたシャッターは、全国の商店街の電器店に見られたものです。そういえば、私が子供のころ七輪や石油コンロしかなかった実家が、初めてプロパンガスを使用することになって買ったのが、真っ白なホーローびきの2口ガステーブルで、これがナショナルブランドでした。 地方の商店街も廃れてきて、こういうシャッターを見ることも少なくなってきました。 テレビ 2005年6月17日 安中で撮影。 …

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【313】 思い出の乗務列車4:直行貨5850列車・5852列車

直行貨物列車とは、当時の貨物列車の区分のひとつです。 当時の貨物列車は、従来からあった一般貨物列車(ヤード方式の普通貨物列車と解結貨物列車)のほかに、特定の使命を持つ使命貨物列車とがありました。使命貨物列車には、高速貨物列車(時速95㎞と100㎞に分類される)直行貨物列車(時速85㎞)・快速貨物列車(時速75㎞)・専用貨物列車とがありました。それぞれ、使用される貨車が、その最高速度に耐えうる車両に限定されました。 今回紹介する列車は、直行貨物列車です。この5850列車の使命は愛知県内のトヨタ自動車で製造した自動車を九州へ輸送した空車貨車の返送でした。人間は目的地まで行ったら必ず帰ってくるものです。しかし貨物というのは、輸送したら帰ってきません。他の貨物を積んで帰ってくればいいのですが、特に自動車を運ぶ貨車(車運車といいます)をはじめとするタンク車やホッパ車など「物資別適合貨車」は帰路を空車で走らせるしかありませんでした。無駄なようですが、これはやむを得ません。 この5850列車は九州の香椎線の貨物支線志免を始発駅として、岡多線の北野桝塚終着の列車でした。志免駅は国鉄時代に廃止となり、一方の北野桝塚駅は現在第三セクター鉄道である愛知環状鉄道の駅ですが、こちらも現在貨物営業は行っていません。 私はこの列車の運転区間のうち吹田操~北野桝塚間を乗務しました。この列車の写真は撮ったことがありませんが、その折り返しで自動車を積載している列車の写真がありますので、お目にかけましょう。 深夜…

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【312】 中山道歩きで見たモノいろいろ(1):ホーロー看板・薬品系

2005年から中山道の宿場を訪問しはじめ、全宿場に足跡を残しました。 旧宿場町や旧街道を歩いていると、自動車なら気付かずに通り過ぎてしまうようなチョットしたモノも目に入ります。 ふだんの生活で当たり前にあるものでも、その地方ごとにチョット違っていたりしますし、裏道になり下がった旧中山道には、現在の表通りとも言える国道や、そのバイパス道では見かけられないようなモノが残っていたりするものです。 今回は薬品系の古いホーロー看板にスポットを当ててみましょう。 **************************** ホーロー(琺瑯)看板というのは、昭和の一時期に全国で見られた美しく塗装された看板です。昭和の街並みには必須アイテム?と言っていいようなもので、旧中山道でも古い家々に残っているのをあちこちで見かけました。 浪花千栄子さんのオロナイン。武佐~守山(野洲付近)で2006年9月2日に撮影。 これは子供の頃に必ず観ていた大塚グループ提供の「巨人の星」のCMでおなじみでした。大塚グループはこの手の看板に力を入れていたらしく、ほかにも見かけました。 **************************** 水原弘の「ハイアース」。洗馬で2005年9月17日の撮影。 自分は写真を写してくるだけで、ホーロー看板については詳しくはありませんが、道を極めた方々も多いやに聞きます。その方たちによれば、これは由美かおるの「アース渦巻」とペアで存在すべき看板のようですが…

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【311】 思い出の乗務列車3:専貨5799~5899列車

東海道本線5799列車~中央本線5899列車は、長野県内への飼料輸送のための専用列車でした。 ホキ2200形式車で組成され、飼料用トウモロコシの類を輸送していました。 この列車は名古屋臨海鉄道という貨物鉄道会社の「知多」という貨物駅から東海道本線笠寺駅に乗り入れてきました。 いったん東海道本線5799列車として稲沢まで運転され、中央本線直通の5899列車と名前を変えて折り返しました。中央本線に入り、塩尻で辰野行き車両を切り離し、終着駅は篠ノ井でした。このうち私の乗務区間は笠寺~稲沢~中津川間でした。 名古屋臨海鉄道の機関車に牽引されて、笠寺駅へ到着する列車です。 ここから乗務が始まるのです。 名古屋臨海鉄道の機関車は切り離され、代わりに稲沢第二機関区のEF65が連結されます。 この列車はここまで名古屋臨海鉄道を運転されてきたのですが、国鉄としては笠寺駅が始発駅です。先週ご紹介した富田駅での三岐鉄道から引き継ぎ同様、列車掛は笠寺駅で乗務検査をはじめとする、始発駅ですべき作業をすべてやりました。 それでは、ある日の編成をお目にかけましょう。 1980年(昭和55年)8月12日 5799列車 笠寺17:34~稲沢18:02 EF65 106(稲二)  ヨ  6171(盛アソ) ォホキ 2269 知多~篠ノ井 ォホキ12493 知多~篠ノ井   ォホキ13013 知多~篠ノ井 ォホキ12241 知多~篠ノ井 ォホキ12685 知多~篠ノ井 ォホキ1…

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【310】 永住の地への旅立ち…D51 688

先週「【307】保存鉄道車両訪問9:D51777・D51849・D51688」で、岡崎市に保存されている旧中津川機関区所属のD51688のことについて触れました。今回はこの機関車の現役末期から保存地岡崎へ回送されていくまでのことを綴ってみたいと思います。 前回の記事で掲載した履歴を見ますと、この機関車が青森機関区から中津川機関区へ転属してきたのは昭和46年10月12日、廃車された昭和48年6月16日まで、その中津川機関区在籍期間は1年8ヵ月にすぎません。これまで保存機関車を何台もご紹介し、履歴も書いてきましたが、長きにわたって中央西線に在籍した機関車には思い入れが強いものです。その意味において、私は688号機のことを「他所者」的な意識を持って見ていたのは事実です。 しかし、私がこの機関車に出会う確率は高かったように思います。 よく出会うということは、調子がよくて稼働率がよかったのかもしれませんが、どうもそれだけではないような気もします。それはこの機関車の形状に特徴があり、「ナンバーを見ることなくこの機関車が特定できてしまう」ことで、妙に印象付けられてしまったというのが現実なのかもしれません。 上の写真は青森から中津川へ回送された直後の姿です。しばらくの間、回送されたままの姿で放置されていました。炭水車の上に大きな重油タンクが居座っています。こうした装備のD51は中津川では見ることがなく珍しく思って撮った一枚です。運用に当たってはこの重油タンクは取り外され、煙突には長工式集煙…

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【309】 思い出の乗務列車2:セメント専貨5294列車

半年以上前、ココに『新シリーズ「思い出の乗務列車」として列車別に、主に定期列車について思い出話を綴りたいと思っています』と書いたことがありましたが、今回はその第2回目という位置付けで、乗務した国鉄時代の貨物列車のことを綴りたいと思います。 国鉄時代の貨物列車は一般的には、ヤード方式といって、貨物列車は各駅で連結解放を繰り返し、操車場などのターミナル駅のヤードで方向別、駅別に組み替えるといった中継作業をはさむ方式で、輸送に時間がかかるだけでなく、いつ目的地へ着くか不明確なのが一般的でした。 このことについては【28】列車掛1:国鉄時代の貨物列車で、書きました。しかし、大量集約輸送できる貨物は、1列車を専用として運転できますから、「専用貨物列車」がありました。現在の輸送形態で、タンク車などを連ねた貨物列車が、まさにこれです。そうした専用列車として運行されていた一つにセメント輸送が挙げられます。 セメントや石灰石の輸送は、今でも行われています。これらは輸送単位が大量かつ重量物であり、鉄道輸送に適した貨物だと思うのですが、徐々に鉄道輸送からは離れつつあり、最近では限られた区間でしか見ることができません。 国鉄時代に、私は三岐鉄道の東藤原から発送されるセメント輸送列車に、国鉄富田駅から関西本線内で乗務していました。組成されていた貨車はホキ5700やタキ1900といった形式が主流で、旧小野田セメント株式会社が所有し、車籍は国鉄に属する「私有貨車」でした。 現在、旧小野田セメント株式会社は合併…

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【308】 KATOの「キハ181系 初期形7両セット」

先日、KATOから「キハ181系 初期形7両セット」が発売されました。 今回は「初期形」となっているので、より正確に「しなの号」で活躍していた時代が再現できるわけです。 こうなると買わねばならなくなってしまうわけで(^_^.) ところで私は【116】KATOのキハ181系でお伝えしたように、一昨年の冬に、KATOのキハ181系を購入しています。今回発売された初期型との違いはどのあたりなのでしょうか。ちょっと比較してみました。 以下の画像は、どちらも付属の後付パーツ(電気連結器と信号炎管)を取り付ける前の状態です。 キハ181 右が初期型です。正面から見ると、どちらも変わりがないようです。 こちらも右が初期型です。斜め横から見ると、初期型には乗務員室ドアの前(乗務員室窓の下)のタブレットキャッチャーと、ドア後ろのボディ補強板の表現がありません。 次は足回りに注目です。台車が異なります。実車181系の台車枠は不具合により、後に交換改修されたという経緯があるのです。 こんどは中間車キハ180です。手前(右)が初期車です。初期車の台車はキハ181と同様に旧タイプになっているのは同じですが、車端部トイレの床下に違いが見られます。初期車には汚物処理装置のかわりに、消火器と便所流し管の表現がされています。 画像はありませんが、この洗面所側も、初期車は洗面所の排水管のみの表現ですが、一昨年発売分では、排水管と一体成形の汚物処理装置の抜取口の表現がありました。 そ…

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