【332】 思い出の乗務列車13:新聞輸送貨物列車271列車
東海道新幹線に初めて「のぞみ」が走ったとき、その一部列車が名古屋駅を通過するダイヤとされ、「名古屋飛ばし」と言われ話題になったことがありました。その後のダイヤ改正では「のぞみ」の全列車が名古屋に停車するようになり、それが今日まで続いています。
ところが、名古屋駅を通過してしまう在来線の列車は、今でも存在します。どんな列車かお解りでしょうか?
答えを言ってしまえば、何だそんなことかいうことになるわけですが…
正解は貨物列車群です。中京地区の貨物ヤードが稲沢にあったことと、名古屋駅に対応する貨物駅は隣接する笹島駅(現在は名古屋貨物ターミナル駅に移行)であるため、旅客駅である名古屋駅に貨物列車が停車する必要はないので、通過するのは当然なのです。
しかし考えてみると、首都圏や近畿圏の大駅では貨物線が別にあって、まったく貨物列車の姿を見ることもない駅すら存在します。名古屋駅でも、中央本線や関西本線の列車はホームがない線路を通過していきますが、東海道本線の貨物列車に限っては、乗客がごった返すホームに接した本線上を通過していきます。このような大駅はそれほどないようにも思います。
例によって前置きが長くなりましたが、私は昭和54~56年頃に列車掛として貨物列車に乗務していました。このときも、異常時でもなければ名古屋駅で停車することはありませんでした。しかし例外的に、名古屋駅を始発駅とする貨物列車が1本ありました。それは新聞輸送のために深夜に設定された名古屋~笹島間の列車でした。
そ…