【349】 思い出の乗務列車17:上り大垣夜行340M ~退職を控えての乗務~
国鉄最後のダイヤ改正となった昭和61年11月の「61.11ダイヤ改正」では、特急列車・普通列車ともに編成短縮と増発が各地で行われ、その内容は国鉄分割民営化後の運行形態の基礎となりました。乗務員の乗り組みも変更され、貨物列車では列車掛が省略されてワンマン運転になり、旅客列車でも長距離乗務が分断されたり、分割民営化後の新会社の形態に合わせた乗務員運用が行われるようになりました。
私の職場でも、特急・急行を含んだ専務車掌班の行路が減り、ローカル列車ばかりの普通車掌の行路が増えました。私はそれまで専務車掌の最下位班の一人として、1カ月に1回だけではあったものの「しなの号1往復(7号と18号)」に乗務していましたが、このダイヤ改正直後の1カ月間は、普通車掌班の交番(乗務割…スケジュール)に就いて普通列車ばかりに乗らされていました。実はその1カ月間に、私は再就職候補先の複数の面接試験を受けに行ったりしており、国鉄を離れる意思は固まっていた時期でした。再就職先から内定の知らせが来た12月に入って、再び専務車掌の交番に戻りました。ダイヤ改正以前よりしなの号に乗務する機会が格段に増え、しなの1,2,5,7,10,14,15,18号に乗務するようになりました。そして、目新しい行路として、上りの大垣発東京行夜行340Mのうち大垣~浜松間への乗務行路も、その交番上にありました。
通称大垣夜行と呼ばれた東京~大垣間の夜行普通列車は、国鉄末期の時点では大垣電車区の165系電車で運行されていました。車両そのものは、…