【507】 スチール棚の企画展1:国鉄時代に東海道本線を走った列車(3)

先日、旧棺桶レイアウト跡地にスチール棚の一段を利用した模型展示スペースを造ったことをお伝えしたところですが、ここに手持ちの編成モノを並べてみました。 これからは、無秩序に車両群を並べるのではなく、何かひとつのテーマを持った展示にしたいと思います。そこで、完成第1回目のテーマは 「国鉄時代に東海道本線を走った列車」 としました。 それでは、「国鉄時代に東海道本線を走った列車 第三回目」は、この中から機関車牽引時代の寝台特急と貨物特急を… *************************** EF58牽引寝台客車20系「あさかぜ」・EH10牽引コンテナ特急「たから」 時代は昭和30年代ですが、これらの列車のデビュー時、私はまだ幼い時期でしたから「絵本の世界」の列車でしかありませんでした。もし東海道本線沿線に住んでいたとしても、寝台列車も貨物列車も走行時間帯が深夜中心ですから、その姿を見ることは難しかったと思われる両列車です。 こちらの20系「あさかぜ」の模型は、初期形です。ブルトレ色のEF58が牽引します。足回りがグレーになっていまして、後年、幾度となく見た20系とは違って見える、最も輝いていた時代のモデルです。電源車から給電する編成単位での運用を前提に組成され、冷暖房完備固定窓エアサス装備と、これまでの客車のイメージは払拭された新時代の鉄道車両でした。下は1人個室と2人個室の合造車ナロネ20です。20系客車の中でも最上級の寝台車でした。もちろん乗る機会などなく、…

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【506】 冷房車(後篇:不具合(-_-;))

冷房装置に関する不具合の多くは結露による水漏れでした。天井の室内機からポタポタと客室に水滴が落ちてくるものです。水漏れは分散式のAU12や13で多く起こりました。画像はリニア鉄道館のサロ165で、AU12が装備されています。 水漏れは湿度が多い時によくおこるので、乗客からは雨漏りだと申告されることもありましたが、水漏れは、冷房を切った後に冷えた冷房機内に空気中の水蒸気が付着して結露するのが原因で、その状態で冷房を再稼働すると、いったん付いた水滴にさらに水蒸気が付いて水滴が成長していくのだと教えてもらいました。いったん結露すると、応急的に室内機表面の水滴を拭き取っても次々と水滴ができていきました。埃を吸った装置内の風道を伝って垂れてくる水ですので汚く、衣服に付けば、乾いてもシミになってしまいます。指定席の場合であれば車掌はこのような様式の証明書を乗客に発行し、車掌区へ帰着後は所定の故障報告書を作成し提出する必要がありました。私の場合、特急列車の乗務は381系がほとんどで、ユニットクーラは床下に装備している関係で、結露による水漏れはなかったこともあって払戻は経験せずに済みました。それでも真夏には各車2基ずつある床下のユニットクーラの不調は時々ありました。 特に「急行気動車の冷房スイッチは、送風→冷房→送風→停止の操作手順によるとともに、冷房を停止するときは送風にして一定時間の後停止にすること」と指示されていました。ただ冷房停止時に一定時間送風にすることは別に気動車に限ったことでなく、これが結露…

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【505】 スチール棚の企画展1:国鉄時代に東海道本線を走った列車(2)

先日、旧棺桶レイアウト跡地にスチール棚の一段を利用した模型展示スペースを造ったことをお伝えしたところですが、ここに手持ちの編成モノを並べてみました。 無秩序に車両群を並べるのではなく、何かひとつのテーマを持った展示にしたいと思います。そこで、完成第1回目のテーマは 「国鉄時代に東海道本線を走った列車」 としました。 それでは、第二回目は、この中から機関車牽引時代の2種類の客車特急を… *************************** EF58牽引青大将客車特急「はと」・C62牽引客車特急「つばめ」 どちらもK社の製品です。 私は両列車とも、リアルで見ることができませんでした。こうして模型で再現することによって、仕事として幾度も往復した東海道本線の伝説の全盛時代をイメージするしかありません。若いころには、見たこともない古い車両を模型で手に入れたいなどとは思いもしなかったのに、国鉄を退職したあとになって、鉄道模型に求めるものが自分の中で、確実に変化してきました。自分が過去に関わった「車両」の姿を形として残したいという意識に対しては、模型として具現化するほかに、写真を撮っておくとか、映像に残しておくとか手段はいくつかありますが、自分が関わった「鉄道」が歩んできた道を思うとき、自分が直接見ることができなかった鉄道が最も華やかだった時代に思いを馳せてみるための鉄道模型という考え方が新たに芽生えていたのでした。 国鉄時代に、いつも関西本線乗務のときに車窓にあった名古屋第…

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【504】 冷房車(中篇:冷房装置いろいろ)

先週アップした国鉄時代の列車冷房に関する話の続きです。 国鉄では、上の写真のように屋根上に何台も冷房機器が乗っている分散式(AU12とAU13が代表的)と、下の写真のように、大型の機器が各車両に1台ずつ乗っている集中式(AU72と73が代表的)とがありました。以上2枚の画像はいずれも国鉄分割民営化後の撮影です。 (JR東海165系松本駅・JR西日本115系岡山駅) AU12はキハ80系やボンネット形の485・489系などに見られるキノコ形のカバーが付いた冷房装置でしたが、急行形の一部(グリーン車など)にも、キノコ形カバーではないものの同じAU12が装備されている車両がありました。上の2つの模型画像はいずれもAU12です。キノコ形のカバーと弁当箱のような角型カバーの外観は、全く見た目が違いますが、室内機は同じ形状でした。このAU12は旧式のため取扱いには手間がかかる冷房装置で、天井の室内機1台ごとに押ボタン式の「切・送風・強・弱」の切り替えスイッチを取り扱う必要がありました。私の場合、この型の冷房装置を装備した車両を使用した列車に乗務することはごく稀でしたが、下の画像にあるように、同じ分散式のAU13を装備した車両には日常的に乗務の機会がありました。外観は角型カバーのAU12に似ていますが、すこし大きめで、機能も違いました。急行形電車(153・165系の普通車など)・気動車(キハ28・58・65)がこの型でした。AU12より良い点は、冷房機1台ごとの操作をする必要がなくなり、電車では1…

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【503】 スチール棚の企画展1:国鉄時代に東海道本線を走った列車(1)

先日、棺桶レイアウトがあった跡地に設置したスチール棚のうち一段を利用した模型展示スペースを造ったことをお伝えしたところですが、ここに手持ちの編成モノを並べてみました。 無秩序に車両群を並べるのではなく、何かひとつのテーマを持った展示にしていこうと思います。そこで、完成第1回目のテーマは 「国鉄時代に東海道本線を走った列車」 としました。 登場メンバーは以下のとおりです。 上から、581・583系寝台特急電車・151系特急電車・EF58青大将客車特急・C62客車特急・EF58寝台客車20系 EH10コンテナ特急・EF66鮮魚特急・80系電車・165系急行電車 117系電車・荷物電車付111系電車 画像では機関車が見えませんがEF60牽引の一般貨物列車 この選抜については大いに異議がおありの方が多かろうと思うのですが、スペースの都合と、何より限られた所有車両の都合によるところが大きいわけですので、そのへんのツッコミはご勘弁願いたいと思います。 それでは、第一回目は、この中から2つの特急電車について… *************************** 581・583系 交直流特急形寝台電車・151系特急形電車 151系については異議がおありの方はいらっしゃらないと思います。その一方で東海道本線内での581系・583系は名古屋以西での運用に限られ、つばめ・金星のほかに主に関西圏から九州方面への列車に多数使用されていましたから、山陽筋の車両とす…

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【502】 冷房車(前篇:冷房の調節)

梅雨の時期は、車内温度の調節に気を遣いました。 30℃を超えるような真夏日であれば、冷房をかけっぱなしでいいのですが、外気温24~26℃くらいの湿度が高い日が一番困りました。駅まで歩いてきて列車に乗った人と、長時間車内にいる人との感覚は違うわけですし、薄着の人ばかりではなく上着を着た人もかなりの割合で混在します。車種によっても冷房装置は異なるので、冷え具合にも差がありました。一般的に女性は薄着をしてきて寒がることが多いように私には見えますし、そう言っている私自身が寒がりの方ですので、一般の方の感覚とは自分は少し違うんだということも考慮しながら、混み具合によって冷房運転か送風だけにするか、それもやめるかの判断をしました。 国鉄形の冷房車では、車掌が細かい温度設定をすることができませんでした。温度を保ったまま除湿する機能はなく、温度は24℃~26℃くらいの範囲になるようにサーモスタットの温度が設定されていたと思います。それでも車内巡回をしてみると、サーモスタットが働いて自動的に送風になっている車両があるかと思えば、次の車両に入るとしっかり冷えているなど、1つの列車でも、作動状況にばらつきがありました。 私が車掌をやっていたころは、折しも国鉄ブーイングの最中でした。 暑ければ「サービスが悪い!これだから赤字なんだ」 寒ければ「無駄が多い!これだから赤字なんだ」 これが、この時期の定番とも言える決まり文句でした。 今は冷房があって当たり前の時代です。しかし私が国鉄に在職していた時…

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【501】 キモイおっさん(~o~)の?トールペイント?

大井川鐵道で、今週末から「きかんしゃトーマス」の運転が始まるとのことです。拙ブログにおいでいただく方の中には「硬派SLマニア」の方もあろうかとお察ししますので、「C11がかわいそう」と感じる方や、興味すらお示しにならない方もおられるだろうなとは思います。しかしトーマスファンの私としては、今さら沿線に繰り出して撮り鉄まがいのことをしたり、幼児に混じって乗り鉄したりするつもりはありませんが(ホントか(;一_一)?)、実はひそかに(でもないが…)見に行きたいと思っているのです。 下の画像は機関車トーマスのウェルカムボードです。十年以上前に、全くの素人の私が、糸ノコで木板から切り出し、着色まで行ったものです。 これは以前【442】きかんしゃトーマスの家で冒頭に一度登場していますので、見覚えがある方がおありかもしれません。 木板も塗料(トールペイント用のアクリル絵の具)も、私のNゲージレイアウト作成に使用した残りを使用しています。 私はレイアウトをいくつか作っては壊すということを国鉄退職後、特に子供が小学生のころにはよくやっていました。モノ作りは得意ではありませんが、自分なりにコストをかけずに、廃品を利用する工作はもともと好きな方で、先日の記事でご紹介したように、廃品利用の模型展示スペースのひな壇の製作をしたりもします。 その昔、私はレイアウトの情景の彩色に、普通の水性絵の具を使っていました。文房具店で手軽かつ安価に多くの色が入手できることがその理由でしたが、乾燥しても耐水性がないので…

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【500】 500回めを迎えました(^O^)/

拙ブログもついに500回めを迎えました。 ここまで続けてこられたのも、ご覧くださる皆様のおかげと感謝しています 300回め、400回めのときに、それぞれ300、400に関係している車両などの写真をお目にかけました。今回も「500」にちなんだ鉄道車両は、何かあったかなと考えるに、400回のとき同様、私が考え付くのはやっぱり新幹線車両で、JR西日本の500系新幹線くらいのものでした。 これもJR世代の車両になるわけですが、300系以降の新幹線車両には特に思い入れがない自分のなかでは、スタイリッシュで日本最速の営業運転用車両ということで、他の新幹線車両とは別格として位置付けられる車両です。9編成しかないので、その気になって乗らないと乗れません。こちらの画像も東海道新幹線の「のぞみ」から引退する2年半前の2007年夏の撮影で、500系列車に合わせて乗った時のものです。 他の新幹線車両と違って、丸みのある車体。車内のほうは窓側席の窮屈感がありますが、航空機みたいです。 先頭車では下の画像のように先頭に向かって徐々に空間が狭くなっていくのが、天井部分を見るとわかります。そして車内放送でも駅到着前には「1号車の前寄りと16号車(当時)後寄りには降り口はありません」と500系ならではの自動放送が入ります。 上の画像は、500系の車内公衆電話横の自販機で販売していた「テレホンカード」です。こういうものは使い切らないと気に入らない性分なのですが、今どき使い道がないので、中途半端に残額が…

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【499】 棺桶レイアウト跡地の模型展示スペース

このところ物置化が加速した私の部屋ですが、Nゲージ模型の展示スペースを復活させたので、今回は、そのご報告をしましょう。 昨年3月まで使っていた本棚にはガラス戸が付いていたので、その上段を模型展示スペースとして使用し、下段に国鉄時代の鉄道雑誌を収納していました。下の画像は、在りし日の本棚の模型展示スペースで、現存しません。なにやら、車両が派手に脱線転覆して、よろしからぬ画像ですが、これは1997年3月に撮影した古い画像です。 このとき、愛知県東部を震源とする地震がありました。画像はそのときの被災状況なのです。我家からは少し離れてはいますが豊橋市では震度5強を観測しています。この本棚は安定性が悪くて不安がありました。昨年、その本棚は撤去し、代りに部屋に2本のスチール棚を入れ段ボール箱に書籍・資料・模型を収納することによって、収納量を増大させることができました。しかしそれによって模型を眺めるスペースは失われました。1年かかってスチール棚に並べた段ボール箱に収納した物品の処分を少しずつ進めた結果、どうにかスチール棚の1列分の空きスペースを作るだけの減量化を達成しました。空いた中ほどの1段には、ダンボール箱の中で眠っている模型を展示してあげようという魂胆でした。スチール棚は業務用なので、味も素っ気もないものですが、模型を展示することで少しは部屋らしさを取り戻すことができます。 このスチール棚を買った時、梱包に使用されていた大きなサイズの段ボールは、その展示スペース製作用として一部を捨てずに…

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