【545】 旧形客車の暖房
3週続けて電車と気動車の暖房について書いてきました。旧形客車の暖房についても引き続き書いておこうと思いますが、以前にも複数の記事で客車の暖房について書いたことがあります。このため今回は、繰り返しになったり、以前の記事をそのまま引用する形になりますが、画像を多く使いながら、まとめの意味として書いておくことにします。
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自ら動力装置を持つ電車や気動車と異なり、機関車に牽引してもらう旧形客車は、暖房も機関車にその熱源エネルギーを依存していました。旧形客車では蒸気暖房が古くから採用されており、それは蒸気機関車から蒸気を客車に引き込んで、車内に設置した暖房放熱管から放熱させて車内を暖める方式でした。上の画像は室木線の客車列車ですが、客車からも蒸気が漏れていることがわかります。
蒸気機関車が減っていき、電気機関車やディーゼル機関車が牽引する区間が増えていくと、そういう区間では暖房車という蒸気発生用のボイラを装備した車両を冬季だけ客車列車に連結して暖房する方法が採られるようになりました。燃料は石炭でしたから煤煙が出ました。画像はその暖房車の模型です。その後、旅客用の電気機関車やディーゼル機関車には重油または軽油を燃料とする暖房用蒸機発生装置(SG)を機関車に装備して、その蒸気を客車に供給する方式が採られるようになりました。下の画像は蒸気発生装置を装備しているEF61です。屋根上と前端下部暖房主管連結部から暖房用の蒸気が漏れています。後ろのほうの客…