【541】 国鉄気動車の暖房

先週に続きまして、国鉄車両の暖房の話です。今回は気動車です。 私が車掌だったころ、よく乗務していた気動車が急行形キハ58・28・65 通勤・近郊形キハ35、40、48などでした。これらの形式の暖房は編成一括での制御ができませんでした。そのため1両ごとに暖房状態を確認する必要がありましたので、厳寒期には暖房は入れられたままの状態にしていました。気温によっては車両によって暑すぎたり逆に寒かったり各車で車内温度のばらつきがありました。暖房の熱源はエンジン冷却水の排熱利用であって、自動車のヒーターと同じようなものです。(キハ55以前の気動車では温気式であり、特急形80系は発電機による電気式の暖房を採用していましたので、いずれも該当しません。) この中で、キハ40・48は当時の最新式で、電車のように編成一括での暖房制御こそ不可能でしたが、暖房方式は、エンジン冷却水を熱源としているのは他車と同じながら、温風をダクトで車内に送る温風式になっており、その入切は各車の運転台助士席背面にあるスイッチ操作で行うことができました。温風は外気を導入して熱していましたが、外気を遮断するスイッチも併設されていて、このスイッチを入れると温風は室内循環に切り替わり、厳寒期でも暖かい車内温度を保つことができました。さらに、隙間風が少ないことに加えて自動温度調節方式だったので、スイッチさえ入れておけば室内温度が下がることはなく、また極端に上がりすぎることもなく、安心して乗務できました。ただ、混雑時には暑すぎることがありました。…

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