【613】 「時刻表昭和史」あとがき

宮脇俊三氏は、著書「時刻表昭和史」で、70年前の8月15日、米坂線今泉駅で、「目まいがするような真夏の蝉しぐれ」の中、「予告されていた歴史的時刻を無視して」、「時が止っていたが汽車は走っていた」と書いています。 今泉のことは【52】宮脇俊三と今泉駅・・・終戦の日で、アップしたことでありますが、あれから5年も経ちました。同じ話になりましたが、この日になると今泉の描写は必ず甦ることなのでご容赦ください。 その「時刻表昭和史」のあとがき(増補版では本編13章の後のあとがき)で、宮脇俊三氏は「時刻表昭和史」を書いた動機について次のように書いています。 「 駅々に貼られた旅客誘致のポスター、ホームに上れば各種の駅弁が装いをこらして積んである。冷房のきいた車内、切符を持たずに乗っても愛想よく車内補充券を発行してくれる車掌。  そのたびに私は思い出さずにはいられない。不要不急の旅行はやめよう、遊山旅行は敵だ等々のポスター、代用食の芋弁当を奪い合う乗客、車内は超満員でトイレにも行けず、座席の間にしゃがみこむ女性、そして憲兵のように威張っていた車掌。  汽車に乗っていて、ときどき私は、今は夢で、目が覚めると、あの時代に逆戻りするのではないかと思うことさえある。二度とめぐり合いたくない時代である。それゆえに絶対に忘れてはならないと思う。  そんな思いを抱きつづけていたので本書を書きはじめた。」(以下略) (赤部分は「時刻表昭和史」からの引用です。) あとがきは、この著書が出版された19…

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