【617】 天声人語に酒井順子さん!
最後のブルートレイン「北斗星」が最終運行されたその翌日(8月24日)の朝日新聞朝刊。
その日の天声人語はブルートレインにまつわる話でした。エッセイストの酒井順子さんが10年前に「あさかぜ」「さくら」引退前に乗車されたとき、車内に男臭さを感じ、女性向けの対応さえ考えていただければ、寝台の未来は暗くないのではないか、と書いておられたことを挙げ、それに対するJRの答えが一人数十万円もする「超豪華」列車なのかという内容でした。
北斗星引退については、私は定期運転終了時に一度書いていますので、引退そのものについては、もう申しませんが、酒井順子さんが天声人語に、それも鉄道ネタに登場することにビックリしたものです。こういう場合、かつては宮脇俊三さんの著作が引き合いに出されていた時代がありました。酒井順子さん、実は女子鉄として知られ、古くからの宮脇俊三ファンなのです。20年以上前、JTB時代の「旅」誌では、宮脇・酒井両氏のローカル線車中対談もされています。
このときのカメラマンは中井精也さん。私は国鉄を退職してからは鉄道雑誌をほとんど買わなくなり、鉄道モノが特集だと不定期に買っていたのがJTB時代の「旅」誌でした。
酒井さんのエッセイには、その「あさかぜ」「さくら」以外に鉄道物が多数あり、私は女性目線で描かれている鉄道観にたいへん興味を持ちました。
鉄道が「本質的に好き」なのだなあということが伝わってきました。知識がどうのとかの次元ではなく、理屈でも説明できない。それが好きだということなので…