【618】 北恵那鉄道17:車両2「モ560形(後篇)」
北恵那鉄道の車両について、私が知っていることを書いています。先週に引き続き、モ560形について書き進めます。
14m級の車体であったモ560形が、10mレールを走ってくるときのジョイント音のリズムは独特でした。
2軸ボギー車ですから、「タタンタタン・タタンタタン」となりそうなものですが、そうはならず「タタタン・タタタン」というリズムで走っていました。3軸ボギー車のようなリズムは北恵那の音として私の耳には染みついてしまっています。
こちらは、乗車したときの車内音です。そのリズムがわかります。
※動画はありません。画像は拙ブログで過去にアップした画像の使い回しで、再生時間は1分です。
20秒過ぎと50秒過ぎに警笛の音が入ります。50秒過ぎの警笛が鳴った直後のチャッチャッチャという音は、電車の横揺れで、吊り輪が大きく揺れて左右の網棚にぶつかって発した音です。
2軸車のくせに3軸ボギー車のようなリズムを発するわけは、この車両の竣工図面を見ると理解できます。
台車中心間距離が7925mmで、個々の台車軸距は1900mmとなっています。この車軸配置だと、4軸あるうちの最前の車輪と最後の車輪との間は9825mmになり、レールの長さ10mと近似値といえます。このことから、ほとんど同時に前後の車輪が別々のレールの継ぎ目を通過するため、音が重なって3軸車のようなリズムを刻む結果となるわけです。
北恵那鉄道が廃止になったのは1978年9月でした。そのころの私は国鉄に就職して荷物列車に…