【717】 「垂井線」(前篇)

JR東海道本線で、大垣から米原に向かう途中、垂井駅を経由せずに関ヶ原までもっぱら下りの特急列車と貨物列車が走る別線があるのをご存知の方は多いと思います。 下の画像は、単線のように見える別線を走る国鉄時代の貨物列車です。この線には上り列車は走りません。 この別線は戦時中に急勾配緩和策として建設されました。大垣を出た下り定期普通列車は、しばらく走ったあとに、南荒尾信号場で、この別線と分かれます。定期普通列車は下りも上りも垂井駅を経由してしまいますので、通常は「下りの特急」でないとこの別線には乗れません。乗り鉄をされる方ですと乗りにくい区間です。上の画像は、国鉄末期に出版された交通公社版時刻表索引地図からの引用です。別線上には新垂井駅があったこともわかります。 次に、南荒尾信号場~垂井(新垂井)~関ヶ原間の線路配線の簡略図を作ってみたのでご覧ください。 この図は、配線を忠実に写し取ったものではありません。ご理解いただくのに不必要な線は省略してあります。 上の図では、左が大垣方面、右が米原方面になります。今回問題とする下り方面に関係しない「東海道上り本線」は青色で描いてあります。 大垣から来た列車は南荒尾信号場で、灰色線で描いた「美濃赤坂線」と、下り特急や貨物列車が走る緑色の「東海道下り本線」、下り普通列車が走る赤色の「垂井線」の3方向に振り分けられます。 この図でお分かりかと思いますが、ここまで別線と表記して、緑色で描いた旧新垂井経由の線路こそが、実は運転取扱上、国鉄時代か…

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【716】 北恵那鉄道26:「混合列車」

北恵那鉄道のシリーズ記事は、2011年の廃線跡の記事(№1~14)から始まり、4年間中断したあと、第2部として車両関係の記事を中心に昨年№15~25まで連載いたしました。また間が空いてしまいましたが、第3部完結編として、廃止前後の思い出話などを中心に再開します。 言い訳になりますが、私は北恵那鉄道とは関係がない者ですので思い違いもありましょうし、記憶が不確かなところもございますので、ご指摘等ございましたらご教示ください。また、記載内容についての問い合わせなどで、現在も路線バス事業者として存続している北恵那交通株式会社様にご迷惑になるような行為は、固く慎んでいただきますようお願いいたします。 以前の北恵那鉄道関係の記事(№1~25)は、パソコン画面ですと右カラムの「ブログテーマ」の「北恵那鉄道」をクリックして記事を抽出できますが、記事を書いてから年月を経ておりますので、廃線跡の状況には変化があると思われますことを、ご承知おきください。 *************************** 北恵那鉄道は、大正時代に木曽川に水力発電用ダムが建設されることによって、従来の木曽川を利用した木材流送ができなくなるために、代替輸送手段として敷設された鉄道でしたから、旅客営業より、貨物営業に重点を置いていたと思われます。しかし電気機関車が北恵那鉄道に登場したのは遅く、名鉄傘下に入ってからの昭和38年です。その電気機関車は電動貨車改造で非力なデキ501であって、本線での貨物列車としての…

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【715】 「381系しなの号」思ひ出グッズ(4)

4回に分けて「381系しなの号」グッズなどをアップしていますが、今回が最終回になります。国鉄が分割民営化されJR発足後に発行された381系しなの号に関連したオレンジカードをあれこれと。 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ JR東海「車掌シリーズ」 国鉄最末期、車内での増収用として車掌区オリジナルデザインのオレンジカードが作られ、車内で発売するようになりましたが、JR東海に移行してから「車掌シリーズ」としてシリーズ展開されました。 そのうちの4枚に381系しなの号がデザインされていました。基本編成が6両に短縮されたのに伴い、サロ381の改造でパノラマ車クロ381-10番台が誕生すると、カードのデザインも、そちらがメインになっていったことがわかります。右下の黒い版画デザインの先頭車は、おでこに前照灯があって、これはクハ481だろうというご異議もありそうで微妙です。画像ではわかりませんがカード印刷面のトレインマークには列車名こそ彫られていませんが、明らかに立ち木が並んだ背景が彫り込まれ、「しなの」のヘッドマークを模したように思われます。 (掲載したすべての画像は都合によって最小限の大きさで、意図的に画質も落とし、赤線で加工も施しております。デザインされた車両の区別ができればよいという基準で掲載しております。画像をクリックされても拡大しませんのでご了承ください。) _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ JR東海「しなの」乗車記念カード …

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【714】 日本酒ラベル:「越乃寒梅」と、その仲間?たち

かつて「地酒ブーム」というのがあったのをご存知の方は、それなりの年齢に達しておられると思いますが、その火付け役なって「幻の酒」と言われたのが新潟県の地酒で「越乃寒梅」でした。 かつては、このラベルを他の酒に貼り直してニセモノが流通していることもあるやに聞くほどの人気でした。 今でこそスーパーの酒売り場でも見かけますが、やはりほかの同程度?の日本酒よりは高い値段が付けられていて、それはブランドに対する付加価値なのでしょう。実際、大量生産のため日本酒の質が下がっていた時期に、頑なに昔ながらの製法を堅持されていた蔵元で、その評価から本来の日本酒そのものが見直され、全国で本物の日本酒が積極的に造られるようになった功績は大きいものがありましょう。 現在の日本酒は高級酒と紙パックに代表される大手酒造メーカーのディスカウント酒とに二極化したようにも思えます。この流れに乗れなかった相当数の中小蔵元さんが消滅していきました。私はローカル鉄道のように、細々と、しかし地元に密着した蔵元さんの伝統的なローカルラベルが、全国に知られる優等特急列車のような大手メーカーの洗練されたデザインのラベルより格段に好きです。 越乃寒梅のような著名な地酒は、自分で買うことはなくても、よそからの戴き物として入手できたり、私の趣味を知っていて、空き瓶だけどほしいか?と聞いてくれる人もいて、こうしてコレクションに加わります。もっとも、原則的には、最低でも一口は飲んだ酒のラベルを収集するということにはなっています。 それで…

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【713】 「381系しなの号」思ひ出グッズ(3)

4回に分けて「381系しなの号」グッズなどをアップしています。 今回は、国鉄が発行した381系しなの号に関連した記念乗車券とオレンジカードをあれこれと。 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ 中央西線全線電化記念入場券 4枚一組で名古屋鉄道管理局管内の駅で発売された中央西線全線電化記念入場券です。言うまでもないですが、381系がデビューしたときのものです。 4枚とも同じ381系電車の絵と1枚ずつ違う信州の郷土玩具をデザインしてありました。ケースがクハ381の図面になっているのがユニークです。 下の画像のうち上側は、上の画像のうちの1枚ですが、下側は長野鉄道管理局管内の駅で発売されたうちの1枚です。 中央西線の全線電化時、新規電化開業区間はそのほとんどが長野鉄道管理局管内で、名古屋鉄道管理局が一部(中津川~坂下)含まれ2鉄道管理局にまたがっていました。そのため長野鉄道管理局からも中央西線電化記念入場券が4枚一組で発売され、そのうちの1枚がクハ381の写真になっていました。そのほかの3枚は381系ではなく、旧中山道妻籠宿の浮世絵、D51、181系気動車の写真になっており、木曽路交通の移り変わりを表したものでした。(画像は省略) _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ (上の画像の上側) 53.10ダイヤ改正記念入場券 名古屋鉄道管理局内の駅で発行された昭和53年10月2日ダイヤ改正記念入場券は5枚一組で発売されました。名古屋鉄道…

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【712】 日本酒ラベル:「男山」

近年はさまざまな種類の日本酒が出回るようになりました。 必ずしも日本食のお伴ということもなくなり、グローバル化が進んで日本でも女性に支持されるようにもなってきたのです。しかし、元来、日本酒のイメージは「男酒」でありました。 「男山」という銘柄の日本酒が全国にたくさんあるのも、そんな伝統みたいなものがあるのでしょうか。 全国の「男山」ラベル巡りを始めたいと思います。当然といえば当然ですが、どのラベルも力強い字体で書かれています。 北海道「金瓢男山」 青森「陸奥男山」 岩手「千両男山」 山形「羽陽男山」 新潟「根知男山」 埼玉「武蔵男山」 愛知「尾張男山」 兵庫「摂州男山」 全国には、まだまだあるはずですが、手許にあるのはこれだけです。 ほとんど地元で消費される真の「地酒」が多いように思いますが、それだからこそ市場が重ならず、消費者が間違えて買ってしまうというトラブルもなく、根付いているネーミングと言っていいのかもしれません。しかしネット通販が増えた今、問題はないのでしょうか? まあ、もうこのコレクションも一区切りつけており、節酒を強いられる身になりましたから関係がないのですけどね(´・ω・`)

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【711】 「381系しなの号」思ひ出グッズ(2)

4回に分けて「381系しなの号」グッズなどをアップしています。 今回も、381系しなの号アイテムをあれこれと。 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ 菓子箱「中央線の旅」 信州土産のおせんべいの箱です。 車内販売限定ということではないと思いますが、現物は乗務した「しなの号」で、車内販売員さんから購入しました。国鉄末期に中央東西線を主力として活躍していた車両たちが描かれていますが、発売元は大糸線沿線の会社になっていました。今も私の鉄道グッズ収納用の箱として利用しています。 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ 名古屋鉄道管理局発行ポケット時刻表 国鉄時代に名古屋鉄道管理局では、部内用や販促用としてポケット時刻表をほぼ毎年4回発行していました。画像上段中央は、381系しなのがデビューした1973年夏号で、以後1976年まで4年連続して381系しなの号の写真が表紙に用いられています。これらは非売品で、KIOSKで発売されていた中部版ポケット時刻表とは表紙だけでなく掲載線区など内容が異なっていたと記憶しますが、国鉄関連会社向けに、「名古屋鉄道管理局」の文字を「○○株式会社」に変えただけの、全く同じ表紙で同じ内容の時刻表が配布されていました。 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ 国鉄フォトニュース 昭和53年9月20日発行の国鉄フォトニュースです。ご記憶がある方も多かろうと思います。この年の10月2日にダイヤ改正…

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【710】 日本酒ラベル:プロ野球

日本酒とプロ野球…あまり結びつきを感じませんが、とにかくあるのです。 常に発売しているものは少ないと思います。やはりシーズン中で、それも優勝戦線にあるような状況があったりすると、意外なところで意外な酒を入手することができたりします。 ただし、今回ご紹介するのは、そのほとんどが時代がかったモノばかりです。 西武ライオンズ おなじみのレオです。 近鉄バファローズ なつかしい猛牛 西武・近鉄と、いずれも鉄道系の球団ですね。西武ライオンズは、その昔は西鉄ライオンズでした。鉄道系の球団は、この西武のほか阪神タイガースが健在ですが、東急フライヤーズ、阪急ブレーブス、国鉄スワローズもありました。国鉄は民間企業ではなかったので、直接のオーナーになれなかったため、国鉄関連事業者の出資で設立された球団みたいです。現在も「スワローズ」の球団名だけは健在ですね。 中日ドラゴンズ 中日ドラゴンズのラベルは、このほか以前に【91】日本酒と中日ドラゴンズでラベルをいくつかご紹介しています。 中日ドラゴンズに関する日本酒ラベルには、こんなものもありました。 星野仙一が選手時代を過ごした中日で、監督を務めていたころのラベルです。 このあと星野は阪神の監督に就任しました。 阪神タイガースのラベルには複数出会いました。 お目当ての球団が出なかったかもしれません。ごめんなさい

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【709】 「381系しなの号」思ひ出グッズ(1)

昨年秋にアップした記事のコメントに「しなのグッズ、ためたモノを拙ブログでもいずれご披露しましょうか。」などと書いたら、意外にも「見たい」とのレスをいただきました。まったく忘れたころになってしまいましたが、4回に分けてアップします。そもそも、この3年ほどに、グッズの類を「買わない」「手放す」という努力をしてきましたので、収集物は減少中であります。 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ トレインマーク刺しゅうワッペン 国鉄時代に買ったもので、画像では読み取れませんが、パッケージ右上に小さな字で、「国鉄承認番号旅営認700号」とあります。全国にある他の絵入りトレインマークとともに発売されたもので、私は「あずさ」と「しなの」を購入しましたが、どこで買ったのかは記憶がありません。 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ 「梅ミンツ」の容器 リニア・鉄道館のミュージアムショップで購入したものです。商品開発コンセプトを想像するに、乗り物酔い予防に梅ミンツ!という意図か? クハ381のイメージにぴったりかも。 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ 「タイクリップ」(1) 2個のうち、上のトレインマークの絵柄のほうは、実際に「しなの」を含めて乗務時によく着用していたものです。車掌区での共同購入に機会があって購入したのですが、部内用の特製品ではなく一般の店頭でも市販されていました。 下のほうは、JR東海移管後に「しなの」の定期運…

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