【717】 「垂井線」(前篇)
JR東海道本線で、大垣から米原に向かう途中、垂井駅を経由せずに関ヶ原までもっぱら下りの特急列車と貨物列車が走る別線があるのをご存知の方は多いと思います。
下の画像は、単線のように見える別線を走る国鉄時代の貨物列車です。この線には上り列車は走りません。
この別線は戦時中に急勾配緩和策として建設されました。大垣を出た下り定期普通列車は、しばらく走ったあとに、南荒尾信号場で、この別線と分かれます。定期普通列車は下りも上りも垂井駅を経由してしまいますので、通常は「下りの特急」でないとこの別線には乗れません。乗り鉄をされる方ですと乗りにくい区間です。上の画像は、国鉄末期に出版された交通公社版時刻表索引地図からの引用です。別線上には新垂井駅があったこともわかります。
次に、南荒尾信号場~垂井(新垂井)~関ヶ原間の線路配線の簡略図を作ってみたのでご覧ください。
この図は、配線を忠実に写し取ったものではありません。ご理解いただくのに不必要な線は省略してあります。
上の図では、左が大垣方面、右が米原方面になります。今回問題とする下り方面に関係しない「東海道上り本線」は青色で描いてあります。
大垣から来た列車は南荒尾信号場で、灰色線で描いた「美濃赤坂線」と、下り特急や貨物列車が走る緑色の「東海道下り本線」、下り普通列車が走る赤色の「垂井線」の3方向に振り分けられます。
この図でお分かりかと思いますが、ここまで別線と表記して、緑色で描いた旧新垂井経由の線路こそが、実は運転取扱上、国鉄時代か…