【763】 酔っ払い(>_<)
飲酒に寛容だった昭和の時代、不特定多数の人が集まる駅や列車内では、酒を飲んで、人に迷惑をかける人が、今より格段に多かったように思います。
さて、今回のお話は、私が国鉄岡多線で車掌をしていたころのことで、昭和50年代半ばのことです。岡多線は現在の「愛知環状鉄道」の一部です。このうち岡崎~新豊田間は国鉄線として開業ししておりJR東海時代を経て、新豊田~高蔵寺間の延長と同時に第三セクター鉄道になっています。画像は愛知環状鉄道に移行後、2005年に愛知万博「愛・地球博」開催中にJR東海から助っ人として入線した113系です。国鉄時代はその岡多線も私の乗務範囲で、全旅客列車が113系4両編成で運転されていました。(国鉄末期に165系3両に変更されました。)
岡崎を発車した直後に車内に入ると、酔っ払ったオッサンが大声でからんできました。
「俺は切符を持っとらん。金は一銭もない。ゼニ取れるもんなら取ってみろ」
「お客さんはどこまで行くの?」
「三河上郷」(←そこは無人駅)
「困ったねえ。どこから乗ったの?」
「そんなことは知らん。」
「じゃあ住所と名前教えてくれる?」
「いやだ」
といった調子でお話になりません。
そのうちに
「タバコ1本くれ。」
「あいにくタバコは吸わんもんで。」
などとやっていると、ローカル線のお客さんは親切で、困っている車掌に代わって、
「ほら、わしのタバコ1本やるで、静かにしりん」(「しりん」は三河弁で「しなさい」の意味。なお当時の岡多線は禁煙では…