【869】 美乃坂本駅回想

美乃坂本駅は中央西線で名古屋から18番目、営業キロ73.5㎞の地点にある。リニア中央新幹線の岐阜県駅が隣接して建設されることになっているが、現況は田舎の駅である。 子供のころから国鉄を退職するまでの間、この駅周辺は私の遊び場でもあり、高校生のときは通学で、国鉄に就職してからは通勤で利用してきた。 駅舎は内外装ともリニューアル工事がされているが、国鉄時代から建て替えられることなく木造駅舎がそのまま使われている。中央西線の名古屋~中津川間で木造駅舎が残っているのは、この駅のほかには釜戸駅しかない。 上の画像で左側はトイレであるが、未だ水洗式ではないし男女共用になっている。臭気抜きのためなのか、撮影した日にはご覧のように個室も含めて窓が開け放たれていた。国鉄が分割民営化されてから、一般にトイレは改札内に設けられ、乗降客以外は使えない駅が増えたが、この駅は構造上の理由なのか、そのままにされ、改札内にはトイレがない。もっとも数年前にすぐそばにJRとは関係のないきれいな公衆トイレが造られたので、駅のトイレを使う人は少ないと思う。 上の画像は待合室内部の様子(ベンチ側)。 私が小学生のころから、造り付けの木製ベンチは変わっていないが、このように塗りつぶされてはいなかった。そのころ窓や改札口の建具は全部木製だったし、冬には画面中央手前に石炭ストーブが置かれたが、のちに灯油ストーブに変わった。上の画像には天井と窓上の幕板に補修跡が残っているが、そこにはストーブの煙突が通っていた。 こちら…

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