【945】 2018年中の少ない鉄分から昔を回顧(3):急行「中山道トレイン」

前回に引き続き、この1年間に地元で撮影した画像をもとに、それより前に時代に遡った関連画像で、時の流れを感じていただく企画ですが、最後は地元中央西線の木曽方面を対象とした行楽臨時列車に絞って書きました。 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ このところ毎年JR東海では秋に急行「中山道トレイン」が運転されています。 今年は383系電車を使用して6日間運転されました。 過去には途中駅で長時間停車する「木曽路クルーズ」という臨時急行が、やはり383系で運転されたことがありましたが、「中山道トレイン」を名乗る急行は、昨年までの3年間373系が使用されていました。 その前、2013・2014年には371系が使用されて、これはかなり注目されました。 2011・2012年には、117系の改装車「トレイン117」が使用され、運転区間は短く南木曽までの運転で、列車種別が快速でした。2012年は「中山道トレイン」を名乗りましたが、2011年に運転されたときの列車名は「宿場町トレイン」で、その年だけは車体にキノコやモミジなどがラッピングされ鮮やかな装いでした。 現在の「中山道トレイン」のルーツは、この列車か、急行ということを考慮すれば前述の383系急行「木曽路クルーズ」ということになりましょうか。 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ 木曽路への行楽用臨時快速列車(運転区間が中京圏から塩尻までで完結する列車)は、秋に限らず観光シーズンには国鉄時…

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【944】 2018年中の少ない鉄分から昔を回顧(2):坂の上下・田んぼアート・車両基地公開イベント

先週に引き続き、この1年間に地元で撮影した画像をアップします。いろんなところで時が流れたことを実感します。 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ ◆坂上行と坂下行 終点を坂下とする列車は中津川始発で1日に数本存在しますが、坂上行はというと、高山始発の下り終列車1本があるだけです。 この坂上行の画像は岐阜駅で撮影しました。最近は自然災害が多いですが、今年は高山本線でも長期間にわたって不通区間が何カ所も発生し、猪谷行が坂上行に変更されていたのでした。 画像の坂下行のほうも災害がらみの列車で、4年前の2014年に南木曽~十二兼間の土石流による橋梁流失と土砂流入によって不通になったときに中津川駅で撮影したものです。このとき列車は坂下と野尻で、それぞれ折り返し運転となり、両駅間に代行バスが運転されました。 坂上と坂下は、ともにJR東海管内の岐阜県内に所在しますが、坂上は高山本線の駅であるのに対し、坂下は中央西線の駅で、両者はまったく関係がなく離れた位置関係にあります。 画像の車両も、両者大変良く似たJR東海の車両ですが、坂上行は気動車であるのに対し、坂下行は電車ですから、まったくの別物です。 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ ◆明知鉄道 今年はNHK連続テレビ小説「半分、青い。」が放映されたことによって、岐阜県東濃地方が今までになく注目されました。そういう私はテレビをほとんど見ない人なので、そのドラマそのものは視聴していなかった…

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【943】 字幕

先週の記事(【941】思い出の乗務列車54:武豊線931D名古屋行)の終わりに、国鉄分割民営化を前提にした61.11ダイヤ改正で、私が在籍していた車掌区の普通車掌行路では、気動車の貫通ホロやホース・ジャンパ等の連結切り離し作業が新たに加わったと書きましたが、このダイヤ改正では、そのほかにも、いくつか新たにすべき仕事が増えました。 そのひとつに普通列車の行先表示幕の表示がありました。それまで名古屋鉄道管理局管内所属の普通列車用車両で、車掌自らが操作して表示していたのは乗務員室で一括操作が可能な117系電車だけでした。(特急用車両まで含めれば、381系しなの号の側面字幕操作も従来から車掌が行っていました。) それまで 103系・113系・165系電車と気動車はサボと呼ばれる車両側面に行先(区間)を表示した板を枠に差し込んで表示する方式で、このサボ交換作業は業務委託された関連会社の社員が行い、車掌はその作業のためにホーム反対側のドアを開閉したり、その表示の確認をするだけでしたが、このダイヤ改正時に、大垣~東京間の夜行列車と急行以上の優等列車を除きサボの使用が全廃されました。代わりの行先表示方法としては、今まで「急行」表示以外は無表示になっていて使用していなかった前頭部の字幕(方向幕)によるものでした。このことで、側面からは列車の行先がわからない状態になってしまいました。(名古屋鉄道管理局管内での話であります。鉄道管理局によっては前頭字幕を古くから行先表示として使うことによって、側面のサボを廃止してい…

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【942】 2018年中の少ない鉄分から昔を回顧(1):愛環・木曽あずさ

2018年もあとわずかになりました。今年のまとめを書くにしても、このところめっきり鉄道旅が減って、今年は春に青春18きっぷを使って、飯山線の雪見(【863】飯山線)と津山(【871】「津山まなびの鉄道館」での再会:DE50 1)へ行ったくらいのものでした。鉄道で遠出をするときには、よくお世話になった新幹線ですが、振り返ってみますと2015年に九州まで往復したのが最後で、新幹線には以後3年間乗る機会がなかったことからも、近年は遠くに出かけていないことがわかります。その九州行のときに、最後まで未乗で残ったままになっていた線区に乗ったことによって、「現在乗ることができる旧国鉄線」は全部乗りつくしたものですから、「【647】九州乗り物乗りある記(前篇)」の末尾に「乗るべき線区や乗るべき列車がなくなりつつある現状から考えるに、一人で泊まり込みの旅に出ることなど、もうないようにも思います。」と書いたのですが、今のところ、そのとおりになっています。出かけたくても出られないのはストレスになりますが、見たい列車乗りたい列車がなくなってしまい、遠くに「行く用事」がなくなっただけであって、仕事や付き合いで「遠くに行かなければならない」、または「行かされる用事」がないことは、むしろありがたいことでもあるのです。かつてはそんな「行かされる」ような機会にも、ちゃんとカメラを携えて撮るべき車両を撮り、乗るべき列車に乗ったりしたものです。そういう気にさせてくれる対象物がすっかりなくなりました。 そして、地元を走る列車を見渡して…

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【941】 思い出の乗務列車66:武豊線931D名古屋行

私が武豊線で乗務していた昭和50年代、名古屋第一機関区には12両のキハ35形式が配置されており、3両編成2本と4両編成1本に分けて運用されていました。武豊線では朝夕に急行編成が入り、キハ35のほうは、朝だけ3両編成を2本連結して6両編成を生み出して、武豊~名古屋~武豊~大府と、武豊線内を1往復半しました。 1往復したあとの武豊発名古屋行が931Dで、朝の通勤通学輸送が一段落した8時41分に6両で武豊を発車して、途中の大府で後寄り3両を切り離して、前寄り3両だけが名古屋まで直通し、機関区へ入庫して整備を受けました。大府で切り離された3両はそのあとすぐに折返しの武豊行に変わり、引き続き4両編成と交互に日中の武豊線内運用に用いられました。 名古屋に10時前に着く列車というのは通勤通学時間帯のような混雑はないものの、休日には買い物などで名古屋に出る利用者が多く、車内で乗車券を発行する枚数がけっこう多い列車でした。 車掌は、武豊から、切り離しがある大府まで2人乗務で、大府から先は1人乗務になり、それで名古屋に着くと乗務終了。大府で降りた車掌は、切り離された3両編成で折り返す行路になっていました。 大府での切り離し作業の関係上、名古屋へ直通する車掌は始発の武豊から3両目の名古屋行車両の最後部に乗務し、大府で折り返す車掌は、その直後となる4両目の乗務員室に乗り込み、向かい合う運転室に携行品を置いて、ちょうど中間部で相対する乗務員室を拠点にして仕事をしました。2人の車掌は担務指定がされ、名古屋まで乗務する…

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【940】 スチール棚の企画展15: 「中央西線の機関車牽引列車」

先週に引き続いて、私の部屋に造ったスチール棚の模型展示スペースの企画展をアップします。 いちおう今回は「中央西線の機関車牽引列車」ということになっていますが、いつものように在庫車両に偏りがありますので、、、、、今回もまたまた、むりやり感のある面々で繕っています。これが現況で、この状態で年越しすることになっています。 展示車両は、相変わらずで、これまで別の企画展で展示したものがほとんどですので、展示車両の説明コメントは最小限にして、その代わりに、これまでに書いた関連記事へのリンクを貼っておきます。 ******************* 今回も前回同様に、右方を先頭として展示しています。そして上のほうに20系客車があるのも前回と同じです。 上から順に、 ◆EF64 77が牽く20系団臨  【485】模型…その実車の現役時代(3):EF64 77    ◆EF64 0番台前期形が牽く12系+20系の「ちくま」   【681】JRダイヤ改正で思いだすこと③~急行ちくま     ◆DD51が牽く旧客編成の「きそ」   【899】小学生時代に見た旧形客車の記憶4     ここまでは前回の「夜行列車」展示車両の続投で、一部車両を入れ替えただけです。 ◆EF64 66が牽くユーロピア+ユーロライナーによる「シュプールユーロ赤倉・志賀」   【304】乗務した車両:ユーロライナー(4) そのJR移管後    ◆D51標準形が牽く旧客編成825列車   【8…

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【939】 使用停止の車内トイレ

垂れ流し式の列車のトイレには「停車中は使用しないでください」という注意書きがドアに書かれていたのをご記憶の方は多いと思います。(画像は、 碓氷峠鉄道文化むらの保存車) 停車中の便所使用が制限されていることは、子どものころから知っていましたが、走行中の使用を制限する例を初めて知ったのは、高校生のときでした。 それは、初めて九州へ行った時の、下り急行「桜島・高千穂」でのことで、朝の4時前、下関到着前におはよう放送が入りました。その中では、「下関を出ますと、すぐに関門海底トンネルに入ります。トンネル内では衛生保持のために、便所・洗面所の使用を一時お断りいたします。およそ5分くらいですので、少々御辛抱願います。」ということでした。なるほどとわかる話ではあります。 ちなみに前夜のお休み放送のときには、転落した方も「おおぜい」あるからデッキのドアは必ず閉めるようにという内容の放送も入り、いずれも今の列車では考えられない環境で列車が走っていたなあと思うわけです。 (画像は大井川鐵道の客車であり、桜島・高千穂号とは無関係です。) 私も、以前は撮り鉄らしきこともしていましたから、知らない間に被害にあっていたかもしれません。 画像の電車は長野電鉄の電車で、トイレがありませんので安全ですが、国鉄の列車をこんな角度から撮影したら、ぶっかけられることを覚悟する必要アリです。たいてい写真を撮ったら、後追い写真を撮るために撮影者は列車の前方を向きますから、背後からやられるのではないでしょうか。高速だと霧状に…

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【938】 スチール棚の企画展14:「夜行列車」

以前、【904】スチール棚の鉄道模型その後:2018年8月のなかで、「客車列車」の企画展をやっていますので、タイトル上の「スチール棚の企画展13」を欠番として、今回は「14」とさせていただいております。 ******************* そのうちに死語になっていきそうな夜行列車。いつものように在庫車両に偏りがありますので、、、、、今回も「むりやり感」のある面々で繕いながら夜行列車のイメージで、今回は右方を先頭として展示してみました。 以下、ひな壇の上から順に。。。 ******************* 最初に20系だけで組成された4編成を。 20系客車とその牽引機は全部K社製品です。 ◆EF65P+カニ21+ナロネ21+ナハネ20+ナシ20+ナハネフ23+ナハネ20+ナハネフ22 「EF65特急色」と「20系特急形寝台客車7両基本セット」の組み合わせです。20系客車の主要形式が網羅されたセットで、現行製品にモデルチェンジされた直後に購入しました。  ◆EF65 PF+カニ21+ナハネ20×6+ナハネフ22 「EF65 1000」と、「さよなら20系客車号」(平成9年にEF58 150の牽引で運転された)を製品化した「さよなら20系客車7両セット」の組み合わせで、20系が白帯2本になって国鉄末期以降に臨時列車や団体列車として使用されていたころがイメージされています。このセットでは、白帯以外にも車両によって側窓やドア窓のHゴムの色が黒ゴム化された末期…

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【937】 列車のトイレと乗務員

ご承知のように、国鉄時代の列車は、いわゆる垂れ流し式のトイレが当たり前でした。少しずつ循環式のタンクを装備して車両基地で処理する方式に改良されつつありましたが、冷房化同様、国鉄分割民営化の時点でも垂れ流し式は残存していました。当然、これは昔から問題となっていて、とくに保線区など施設関係の職場環境問題でもありましたので、組合も改善要求を出していました。画像は大井川鐵道の旧形客車です。利用は制限されていますが、設備的には今もそのまま残っているようですね。 「臭いものにはフタ」を地で行くようなことですが、国鉄時代からトイレを使用禁止にして施錠していた例がありました。 そこは、私が普通車掌時代に乗務していた岡多線(現愛知環状鉄道の一部)でした。私が乗務していたころは113系が使用されており、クハには一部を除き垂れ流しトイレが装備されていたわけですが、岡崎駅に回送された車両には例外なくサボ交換などを請け負う業託社員の手によって車内トイレのドアを客車カギで施錠されて「使用禁止」の札をドアノブにぶら下げて岡多線内を運用されていました。こうすると便所使用灯が点灯しますので、人為的に使用中の状態にしてしまう結果となるわけです。岡多線は比較的新しい路線でしたから、岡崎駅構内に踏切が1つある以外すべての道路が立体交差で、特に市街地区間のほとんどは高架区間でした。高架区間で上から黄害を撒き散らすのはやめてくれという要望があったのだろうと思われます。施錠しないまでも、車内トイレを使用制限する区間は大都市などにありま…

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