【1473】 亀山茶の話
家に仏壇が登場したのが今から10年前の2013年でした。仏壇のことなどまったく無知な私は【401】鉄ヲタから見た仏壇と線香で書いたように、花立、香炉、仏飯器、湯のみ、ローソク立の配置などもわからなかったのでネットで調べてみたりもしました。そして仏壇に位牌が収まってからは、毎朝起きるとすぐに私は湯を沸かしてお茶を淹れ、仏壇と遺影に供えて、自らは食前にお茶を飲むようになりました。
そういえば国鉄に就職した直後の3年間は、湯沸かしやお茶を淹れることが自分の仕事の一部でした。そのころは「乗務掛(荷扱)」という職名で、荷物車に乗務して車内に積載された小荷物(今の宅配荷物に相当します)の仕訳作業に従事していました。乗務はほとんどの行路で1両に専務車掌(荷扱)1人と乗務掛(荷扱)2人の計3人乗務になっていて、列車の運転中や長時間停車中に乗務員室で食事や休憩を取ることが日常的にありました。
(【211】荷物列車とお茶菓子で、その様子などを少し書いています)
下っ端の乗務掛は乗務前に3人分の湯を詰所に配置してある薬缶で沸かして魔法瓶に詰め、持ち歩いていました。私が就職したころには、自分の親よりも年上の大正生まれの先輩がおられ、話題や趣味嗜好はまったく違うことばかりでした。それでも、休憩や食事のときには3人でお茶を飲みながら雑談をします。急須とお茶、湯呑は皆が持ち歩いていましたが、1つの急須でお茶を淹れ、各自の湯のみ(多くはカップ酒の空容器の再利用)に注ぎ分けるのです。お茶にうるさい人もいて、そういう人は他…