実際に、当時乗務した列車の編成を記録してありますので、ご覧に入れます。実にさまざまなところからの貨車が集まって一つの列車を形成しているのがおわかりいただけるかと思います。
昭和55年10月19日～20日 ２６３列車
東海道本線～関西本線 稲沢～亀山間乗務
DD５１ ８９０（稲１）
ヨ ８５８９ （新ニソ）
ワラ １５４９８ 速 星―阿田和
ﾊワム１８３４４８ 北 見―奈 良
ワキ ５６４５ 宮城野―松 阪
ｺトラ ４９０５２ 小野新町―新 宮
ﾊワム１８６５２０ 宮 下―伊勢市
トラ ７０９２６ 焼 津―松 阪
ワム ６５７８４ 倶知安―宮 川
ﾊワム ８８９２６ 倶知安―宮 川
ワフ ３５６６７ 名古屋―加佐登・亀山
ﾊワム２８２６２５ 辰 野―伊賀上野
ﾊワム２８５８７７ 辰 野―伊賀上野
ワム ６０１８ 黒 井―新 宮
ヨ ８６５１ （金トソ）
今見て、私でも、どこにあるのかわからない駅名が続出です。
で、一応調べてみますと発駅はいずれも東日本方面で
速星は高山本線
北見は石北本線
宮城野は東北本線
小野新町は磐越東線
宮下は福島臨海鉄道
焼津は東海道本線
倶知安は函館本線
名古屋は東海道本線
辰野は中央本線
黒井は信越本線 の駅です。
着駅はいずれも関西本線または紀勢本線の駅です。
終点の亀山に到着後、貨車は関西本線と紀勢本線への列車に継承されます。個々の貨車たちは亀山の操車場で方向別着駅順に組み直されて、旅を続けるのです。我々乗務員は終点に着くと仮眠して折り返しの乗務に備えます。折り返しの関西本線上り列車には西日本が発駅の貨車群が連結されていることになります。
この２６３列車は深夜に運転される貨物列車です。そのため途中の連結や切り離しは最小限です。ワフ３５６６７（名古屋―加佐登・亀山）1両を途中笹島駅で連結しただけです。
このワフは深夜に朝刊を運ぶためのものでした。
その日のものではありませんが、この列車に毎日連結されていた新聞輸送用ワフの車票です。
車票は旅客車の行き先表示板にあたります。厚紙製で一部再使用されているものもありましたが使い捨ての場合が多く、貨物駅構内や緩急車車内に使用済みの車票が捨ててあることがよくありましたので、この写真の車票も拾ってきたものです。発駅の名古屋は新聞と駅で出るごみの輸送以外の貨車の発送はありませんでしたから専用の印刷済みの車票はなかったようで、この車票の発駅欄はもともと発駅は「稲沢」と印刷されたものに薄紙を貼って 「名古屋」のゴム印を押してあります。写真で紙の色が違うのはそのためです。
２６３列車の新聞輸送用のワフには途中駅の加佐登、井田川駅と亀山駅着の新聞が積載されていました。途中駅では新聞屋さんが未明のホームで待ち構えていて新聞を取卸しました。
この記事へのコメント
アルヌー
発着が本当ににバラバラなんですねー！
(゜o゜)
ワム、ワキ、トラなど車両も色々で、北海道や東北から、どんな荷物が送られていたのでしょうか？
これだけいろんな行き先の貨車があると、広大なヤードが必要だった理由もわかりますね～。
今のコンテナ列車に比べると、時間も人もたくさん必要だったんでしょうね。
＼(^-^)／
しなの7号
乗務した貨車の編成は当時結構記録していたのですが、今から思うと品名を記録しなかったのは片手落ちだったと思っています。
北海道からの貨物はジャガイモとか玉葱の類。東北からのは、米とか多かったように思います。変質しやすい葉物の野菜などはこうしたのんびりした輸送には向きません。速達や定時性を確保した列車指定とか地域間急行とかヤードを通すのをなるべく避ける速達輸送が（別料金だと思いますが）ありました。
ｈｍｄ
先程はコメントありがとうございます。
今となっては、この記録も貴重ですね。
模型の貨レ編成再現の良い資料にもなります（笑）
この雑多な感じが魅力で旅客列車より
面白いかと。
国鉄時代の車票も懐かしく、味がありますね^^
しなの７号
国鉄の貨物列車の面白さは、まさに「雑多な感じ」でして、固定編成にはない「何が連結されているかわからない」面白さがありました。
貨車は常備駅が指定されているもの以外は全国運用でしたので旅客車とは違って連絡船で航送されるものも含まれていたり、遠くて知らない駅からいくつもの貨物列車継走でたどり着く貨車が多く国鉄組織の大きさをも感じさせるものでした。