私が列車掛の養成を受けたあと配属された職場では、貨物列車のみの乗務を受け持っていました。ずっと貨物列車の乗務で過ごしたい人や、さらに上級職を受けるつもりで乗務員を一時の腰かけだと考えている人はこの職場に留まっていましたが、大半の人は通勤に便利な自宅に近い線区の乗務員職場や、旅客列車を受け持つ職場を希望して、各々転勤希望を出していました。
希望先の職場で退職や上級職への試験合格などで欠員が出ることがわかると、転勤希望提出順に声がかかり転勤できるのです。
私も列車掛の養成課程を修了したことによって車掌の資格があるわけですので、旅客列車に乗務できる職場を希望しました。そして旅客列車の車掌として転勤した職場は、列車掛の養成課程の試験を受けるまで荷物列車に乗務していた同じ職場でした。約1年半ぶりに戻ってきたのでした。
(写真は乗務掛として在籍した当時のものです)
<<車掌在職時の乗務範囲>>
東海道本線 浜松~米原
大垣~美濃赤坂
武豊線 大府~武豊
岡多線 岡崎~新豊田
中央本線 名古屋~中津川
関西本線 名古屋~亀山
伊勢線 南四日市~津
岡多線は民営化後の昭和63年1月に第三セクター愛知環状鉄道の一部となっており、国鉄時代に未開通だった新豊田~高蔵寺間も同鉄道の経営で同時開業しています。
伊勢線は国鉄分割民営化直前の昭和62年3月に河原田~津間が第三セクター伊勢鉄道に移管されました。このうち南四日市~河原田間はもともと二重戸籍区間(戸籍上は関西線単線・伊勢線単線の並行ということで実際には関西本線の複線区間として使用)であったため、関西本線に編入(複線化したとみなす)されています。
以前と同じ職場に戻ったわけですが、仕事はもちろんのこと、普通列車の乗務区間は荷物列車や貨物列車より範囲が狭くなり、逆に支線系で初めての乗務区間がありました。
東海道本線の大垣~美濃赤坂間、武豊線、伊勢線、岡多線の北野桝塚~新豊田間がこれまで乗務したことがない区間でした。
この職場では、その後専務車掌になり民営化時点の退職までを過ごすことになるのでした。

この記事へのコメント
アルヌー
転勤の希望を出しても、希望先に欠員が出ないと転勤できなかったなんて、自宅が遠い人は大変でしたねー。
旅客収入1000億円突破計画って凄いですねー!
下に書いてあるのは、昭和54年の日付でしょうか?
初めて乗務される路線があると、最初のうちは大変な事もあったのでしょうね?
けっこう広い範囲でビックリしました。
\(^o^)/
hmd
転勤の希望が予め出せるんですね~当時公企業であるに関わらずびっくりしました^^
旅客乗務のお仕事もその路線専属ではないのですね。
表を見てとても多いと感じました。曜日シフトが決まっているのでしょうか?
しなの7号
いつもありがとうございます。
特に飛騨方面出身の方々は、車掌職場が高山しかなく、定員も少ないので、順番待ちでなかなか転勤できない方が多くありました。皆、独身寮や官舎で暮らしていましたね。
「写真は乗務掛として在籍した当時のもの」と本文に記しましたように荷物列車乗務時代末期の写真です。下の日付は昭和54年1月20日~昭和54年3月31日です。この直後、私は列車掛の養成課程を受講のため中部鉄道学園に入学しました。そして貨物列車の職場で列車掛を経て昭和56年に再び車掌としてこの職場に戻ってきたわけです。
乗務中の出来事などはいずれ本文に書くつもりです。
しなの7号
いつもありがとうございます。
定期的な人事異動みたいなものは現業の職場にはありませんでした。
そんなことで、何十年も同じ職場で過ごすのも当たり前で、線区を熟知した職人的な車掌や規定類を熟知した神様みたいな車掌もいましたよ。
特に私の所属した職場は乗務線区が多く、その結果バラエティに富んだ車両に乗務できるとあって、鉄道好きにはたまらない職場ではありました。
これまでのブログで勤務体系のお話をしていませんので、詳細についてはは後々いたしますが、一般に乗務員の場合は約3~4週間で1サイクルになる勤務表があらかじめできています。勤務表は一般に7の倍数の21日とか28日のサイクルだと特定の人が常に日曜休みになったりするのでなるべく避けるように作られていました。
野良太郎
車掌の乗務範囲は僕は非常に興味があります!地元米子車掌区の国鉄時代は東は出雲で東京、西はさんべで博多までと乗務範囲が広く、それに伯備線は岡山まで
普通車掌組でも鈍行乗務が浜田~鳥取まで有りました。これこそ日本最長距離鈍行824レ魔の9時間乗務です
しなの7号
野良太郎
東の鳥取車掌区では
更に過酷な833レ~544レ鳥取~浜田間、1往復19時間乗務がありましたよ
しなの7号
私も荷扱時代には熱田~長野1往復の荷物列車で片道9時間以上の列車を経験しています。その往復と便乗時間等を入れると勤務時間が2日間で22時間を越えました(+o+)