解結貨物列車に乗務すれば毎日列車の長さや車種、行先が違うわけです。そのため列車掛は常に「貨車解結通知書」で自分の列車のどの貨車を何両どの駅で切り離し、どの駅でどのような貨車を何両連結する予定かを把握する必要があります。
列車の重量は決められた重量を超えることはないか、列車の長さはすべての停車駅の線路の有効長以内になっていて、行違い列車や追い越される際に支障することはないか、ということを見極めるのです。前述のように貨物取扱駅ごとに停車して連結解放を繰り返しますので、その作業が極力簡易にできるよう、途中駅の連結位置を何両目にするかを決め、停車時間を利用して、中間駅へ事前に「予報」といって、入込両数、切り離す車両数、切り離し車両の連結位置などを電話連絡します。駅によっては切り離しする車両の車種や積載品名を予報で求められることもありました。
さらに途中駅の入換作業は大駅を除いて作業責任者は列車掛でした。中間駅で、機関士・駅員と連携して作業をします。通常は無線機で機関士に前進後進停止ほかを通告し誘導、駅員には入換で進むべき進路構成を通告し、ポイントと入換標識の操作をしてもらいます。
写真は関西本線八田駅で機関車の転線入換作業中の様子です。このときは列車掛見習の指導中だったので2人が機関車のデッキ部分に乗っています。常時入換作業がある駅では無線機を使用して作業をしますので手旗は通常使用しませんでした。当時はこの八田駅でもセメントなど貨物扱いがありました。現在は高架化されるとともに駅そのものが名古屋よりに移転してしまい、面影はまったくとどめていません。
このように、当時の貨物列車の乗務員である列車掛には、けっこう多くの種類の仕事があったのです。

この記事へのコメント
アルヌー
しなの7号さんのブログで列車掛の方の本当の仕事内容を知る度に、本当にビックリしています。
しなの7号さんのブログを見るまでは、貨物列車の一番後ろの ヨ に乗っている人は、ただ乗っているだけ(すいません(^_^ゞ)の貨物列車の車掌さんというイメージしかありませんでした。
誰が一番という事は無いのかもしれませんが、貨物列車の列車掛さんは、本当にたくさんの仕事をしていたんですね。
あと、機関車を運転する人は、運転士じゃなくて機関士のほうが、呼び方としては良いですよね~。
その方が、かっこいいと思います。
(^o^)/
しなの7号
今回の内容も「解結貨物列車」のことですから、以前記しましたとおり、多くの専用貨物列車や高速貨物列車では、実質「乗っているだけ」でしたけどね。
機関士と運転士は国鉄でははっきり分けられていました。
機関車を運転するのは機関士(SL,DL,EL)。
電車運転士や気動車運転士とは区別していました。両方の免許のある方もありましたが、機関車は電車や気動車とブレーキとマスコン位置が左右反対なのに、よく運転できるものだと感心したものです。
hmd
業務内容も多様でやはり熟練を要すのですね^^
業務を正確に行ないつつ、列車の安全運行に十分配慮しなければならないでしょうから責任も重大ですね。
なかなか興味深いお話を聞くことが出来、ありがとうございます^^
しなの7号
いつもご覧いただいて感謝しています。
乗務員職場は安全運行には誰もが細心の注意をはらっていましたね。それでも事故は起きてしまいます。
国鉄職員は皆「間違えたらやり直しがきかない」という意識はいつもあったように思いますが、マスコミにもタルミ国鉄とか書きたてられ、利用者からはサービスが悪いだの、税金泥棒呼ばわりまでされて、口惜しい思いを皆、してきました。
今の相撲界の様子を見ていると、その中のほとんどの何の罪のない皆さんも同じ思いだろうなとお察しします。