ひさしぶりに鉄道模型のお話をしましょう。
先日まで拙ブログでは国鉄貨車の緩急車について連載しておりましたが、【185】乗務した車両:ヨ6000・ヨ8000車掌車のなかでご紹介した形式「ヨ6000」について、気になった写真がありました。
再掲しますが、下のNゲージ模型の写真です。
どのあたりが気になるかと申しますと、本来は左のヨ5000(窓4つ)より右のヨ6000(窓3つ)のほうが、車体が一回り小型であるはずなのに、模型ではヨ6000のほうが背も高く大型になっている点でした。
写真の模型はいずれもKATO製ですが、ヨ6000のほうは1972年に製品化したものです。同じ金型で今も発売されているのです。一方ヨ5000は2005年の製品化で、その間なんと30年以上の開きがあります。
より精密化していく模型の世界で、この時の流れによる差は大きく、縮尺もより正確になっていった例と言ってよいでしょう。
ところで先月、KATOに競合する形でTOMIXからもヨ6000が新製品として発売されました。
私のブログ記事のアップまでにその新製品を入手できなかったので、そういう怪しい写真を公開することになったわけですが、先週末に遅ればせながら、我が家に3両目のヨ6000として新製品TOMIXのヨ6000を導入しました。それが、この記事の一番上に掲載した写真です。
これまでも、我が家にはKATOのヨ6000がすでに2両在籍していました。
それが次の写真です。
箱からおわかりかと思いますが左は初期製品です。右は現行製品ですが、左右とも同じ金型であると思われます。
写真が小さくて判りませんが、車体に印刷されたナンバーなどは現行品のほうがリアルになっています。また車輪も黒染になって部分的な改良は行われています。
それでは、今回新製品として発売されたTOMIX製品と40年近く前の設計によるKATO製品を並べてみましょう。
言うまでもなく左がTOMIX製品で、右がKATO製品です。
反対側を向けてみます。
配列は同じく左がTOMIX製品で、右がKATO製品です。
反対側からの写真には床下の蓄電池箱がないのでTOMIX製品のほうは床下の集電用の金具のばねが目立ってしまっています。(中央部の金色の部分)
やむを得ないところですが、もちろんKATO製品は尾灯の点灯はしませんので、こういうパーツはありません。
窓ガラスはKATO製はハメコミ式ではありませんが、TOMIX製は黒で塗装した窓枠と一体になったハメコミ式です。しかしその窓枠の黒塗装の色調が車体の黒より艶がありすぎて、やや違和感がありました。
次に正面から見てみます。
配列が逆になりましたが、左がKATO製品、右がTOMIX製品です。
正面からも一見して大きさが違うのがわかります。TOMIXのほうは出入口ドアの窓Hゴムの表現もされています。また石油ストーブ車という設定で、車端部に白線があります。
しかしながら、この比較をして思うのは、40年近くも前に、これほど正確にヨ6000の特徴を捉えていることに驚かされます。現在でも実車に「似ていない」製品を世に送り出すメーカーがあるのに、昔からKATOの技術水準が高いことを示していると言えるのではないでしょうか。
縮尺の差については、製品化当時の動力車がモーターとその動力ユニットの大きさなどの関係から必ずしも忠実に150分の1ではなかったことから、そのバランス上、この大きさこそが編成単位として見たとき適合していたと考えてよいのかもしれません。
最後に、ヨ5000と新製品TOMIXのヨ6000を並べてみます。
これでヨ6000のほうが一回り小さいことがおわかりいただけることと思います。
この記事へのコメント
京阪快急3000
約40年前にKATO(関水金属)の技術力の素晴らしさがヨ6000ヲを拝見してよく分かりました。
KATOの製品に拍手を送りたいです。
しなの7号
KATOのは、16番のエンドウ製貨車を見慣れていた私には、画期的なリアルさで迎え入れたNゲージ模型でした。
いまでも通用するリアルさはさすがです。
TOMIXのは縮尺が補正され、今後は決定版として末長く受け入れられることでしょう。
くろしお1号
模型の世界も実車同様、刻々と変化していることに改めて気付かされました。並べて見ると、こんなに明らかな大きさの違いがあるのですね。また、貴ブログで初めて知った石油ストーブ搭載識別の白線一つで、表情がグッと真に迫るのも、写真を拝見してよくわかりました。
ただ、40年前の製品が比較写真で細部の相違にとどまっていることは、また驚きです。当時の関水金属製品は、手元のキハ20系やキハ82系を見ても、全体の印象は実車そのものです。リニューアル製品にはかないませんが、発売された時の印象は、強烈だった記憶があります。
時を経て、自分がハンドルを握った車は集めよう…と思い、KATOのキハ85系やTOMIX383系をはじめ、GMのキハ75を仕入れました。ところが、この75、エンジンが1基しかない!水平対向12気筒、これはキハ65ではないか!この安易な製品は即撤収願いました。
以降路線を変更し、確実な歴史の裏付けがなされた、国鉄時代の車両に目を向けることにしました。
貴重なコレクションの数々、これからもいろいろご紹介下さい。楽しみにしております。
しなの7号
おはようございます。
私もキハ75持っていますが、全くエンジンの件は考えもせずにおりました(^_^;)
ですからその件については知りませんでした…
持ってるだけで、ほとんど走らせることもなく眠っていますから、TOMIX他車からの使いまわし動力ユニットなんだろうとは思っていましたが、エンジン1基では許せないですね(*_*)
あとで確認してみます。
もうすぐKATOの381系が出ますね。楽しみなところです。
toseibom
関水金属の古いパッケージも懐かしく思いました。私は子供のころにカンスイ金属と呼んでいましたね。当時からKatoの仕上がりは素晴らしかったですね。私はトミーナインスケールから初めてNゲージに入りましたが,Tomixブランドになって初めて買った当時800円の紙箱入りのオハフ12は印象と違ってがっかりしました。当時のKatoの20系はすでに座席があって驚いたのも覚えています。以来Katoのファンでしたが、最近のTomixはとても素晴らしい仕上がりでKatoに真っ向から挑んでいますね。8月はKatoが挑む形で381系でバトル、年末はTomixが挑む形で189系でバトル。30年前には考えられなかったことです。
しなの7号
ヨ5000とヨ6000のブログ用写真を撮るに当たってNゲージのヨ5000とヨ6000を並べたものの、これは使えんな…と思いました。ちょうど新しくヨ6000がTOMIXから発売された直後でしたので、早速買って写真を撮りなおしてアップ直前に差し替えをと思ったのですが、あいにく売り切れorz
そのまま写真はアップしたあとに通販でヨ6000を買って今回の記事にしたという経緯でした。
toseibom様は模型歴が相当長いんですね。
かつてはNゲージ製品の種類が少なくて、TOMIXが製品化したあとに決定版としてKATOが製品化というスタイル?だったですね。TOMIXの12系、売れ残りだったオハ12が1両だけ当方に在籍しています。当時の香港製の水準を確認する意味で、手放さずにおります。
hmd
こちらは今日は大荒れで、すごい雨でした (^_^;)
ご乗務の想い出深い「ヨメさん」達・・・模型で感慨にふけるのも一興ですね (^_^)
新旧の模型を並べて違いを楽しむも、模型ならではの楽しみだと思います(模型趣味でない方は、やや面白くないかもしれませんが・・・ (^^ゞ)。
K社とT社の比較して、こうして見ると、やはりかなり差がありますですね。しかし、ファインスケールになるほど、Nゲージのガニ股感が気になる点もあったりします (^_^;) 標準軌1,435mmの1/160位が近いので、現在の国産模型では、新幹線が一番ファインスケールに近いと言うことでしょうか。
それでも。K社製の大きさにもある程度は納得できるのは、ある意味ですごいと思います。
C62がファインでリニューアルしたので、C11もリニューアルして欲しい所です (^_^)
p.s. 今週は例の件の為、ブログ記事の公開を延期しています。よろしくお願い致します。
しなの7号
私の模型いじりは子供のころからですが、国鉄在職中は中断し、退職後は乗務した車種を買い集めるということで継続しています(^_^;)
当然、国鉄在職中のなつかしい友達に会う感覚でいじっています。もっとも、なかなかいじる時間がないですが。
模型も各社それぞれに特徴があって、それに新旧の技術的な進歩が重なって、比較するのは面白いです。
そういえばC11も息の長い製品ですね。ヨ6000もC11に牽かせるとバランス的にいいわけですが、C11は実車で現役機が何両も存在するのですから、模型でもリニューアルが待たれる機関車ですね。
p.s.
ブログ公開延期の件、承知しました。
実は私は本日天浜線に行く予定があったのですが例の件とは関係なく諸事情で中止になってしまいましたorz