鉄道をモチーフにしたお菓子は、大手の菓子メーカーからローカルなものまで、いろいろ存在します。
過去にも
【139】 鉄分の多いお菓子(1):チロルチョコほか
【141】 鉄分の多いお菓子(2):JR電車チョコ
【184】 鉄分の多いお菓子(3):ミニトレイン
と、3回にわたって紹介しました。
今回はローカルな鉄道「飯田線」の、これまたローカルな和菓子の登場です。
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飯田線はJR東海が経営する鉄道で、東海道本線の豊橋から中央本線の辰野を結ぶ長大なローカル線です。ここには119系という国鉄時代に製造された電車が今なお活躍しています。
上の写真はいずれも119系です。左側のアイボリーのほうは飯田線でふつうに見かける電車です。いっぽう、右側の水色に塗装されたほうは、2009年に国鉄デビュー当時の外部色を再現した電車で、1編成2両だけが存在します。
飯田線は人家がほとんどないような山間部を通り抜けていますので、「秘境駅」と呼ばれる駅がいくつも存在します。それを目当てで飯田線に乗りに来られる方も少なくありません。
まずは「秘電最中」を紹介します。
「秘境の電車」を略した「秘電」と「秘伝」を掛けたネーミングなのでしょうか。
最中の箱には国鉄時代の旧型国電から、現在活躍中の新型まで電車の絵がいくつも描かれています。
肝心の最中のほうは、1つずつ最中の皮と餡が別々に包装され、自分で餡を皮の中に入れて食べるようになっていますので、パリパリの皮の状態で味わえます。
最中の皮は119系(両運転台)のイメージになっています。
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続いては「かなえ饅頭」です。
飯田線には「鼎(かなえ)」という駅があります。国鉄時代から「願いをかなえる」駅ということで、入場券もよく買われる駅でした。
この「かなえ饅頭」、箱に国鉄色である水色の119系が全体に描かれています。箱の写真は本物でなく模型を撮ったもののようです。箱の大きさは、HOサイズに近い長さですが、車体幅は横長です。正面の行先表示は、一方が「夢」もう一方が「鼎」となっています。
「あなたの夢かなえられますように」「願 鼎」「しあわせの青い電車に逢えましたか?」の文字が箱の上(屋根部分)に書かれています。前述のように、この国鉄色の電車は現在1編成しかありませんので、この電車にあたると運がいいということで、地元では「しあわせの青い電車」と言われているのでしょうか?
中身の饅頭は黒糖皮にこしあん入りで「鼎」の文字の焼き印が入っています。
「秘電最中」と「かなえ饅頭」の販売元は、この鼎駅から1キロ強の距離にある和菓子屋さんのようです。
私は先日、飯田へ行った折に某土産物屋さんで購入しました。昨年からの新商品らしいです。
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ついでになりますが、この箱に描かれた119系が国鉄でデビューしたての頃、一緒に列車掛になった同期生4人(鉄2名+非鉄2名)で、この新型119系とまだ残っていた旧型国電に乗るために飯田線に乗り鉄に出かけたことがありました。
豊橋から天竜峡まで119系に乗車しました。国鉄近郊型電車はブルーのシートに薄い水色の内装が一般的でしたが、この119系はこげ茶色のシートの色とベージュ系の内装色が新鮮でした。車体外部色の水色は並行している天竜川の水の色に因んだものと言われていました。
中部天竜駅での写真です。ED62が牽く貨物列車の姿も見えます。
天竜峡で下車し、新緑には少し早い遊歩道を散策したあとは旧型国電で鼎駅を初めて訪問しました。
当時の入場券は硬券でしたので、買ってみました。日付からすると列車掛を経て普通車掌をしていた頃のことです。
この時の4人は、その鼎への旅ののち夢はかなったでしょうか?
私はこの1年後に専務車掌になれたわけですから、夢がかなったといってよいでしょう。
ちなみに、非鉄の2人が4年後の分割民営化の際にJRに残ることになりました。そのうちの1人は駅長まで上りつめ、もう一人は新幹線の車掌になられました。一方で私を含む鉄の2人は、なぜか鉄道を離れ、別の道を選ぶことになるのでした。
この記事へのコメント
京阪快急3000
飯田線は「秘境駅」はあるし、「面白いお菓子」も販売されていて、さらに国鉄末期には、「湘南電車」80系やモハ52形など「旧型国電」が最後の活躍をした路線としても、ファンの間では有名な路線ですよね。
119系の「国鉄リバイバル色」が、1編成のみ存在しているのですか・・・。
ますます興味をそそる思いです。
しなの7号
飯田線はもともと4つの私鉄が国有化されたという、生まれからして特殊な鉄道路線です。
その特殊性から、さまざまな見所があるところですので、乗って良し、撮って良し、そして食べて良しといったところでしょう。
コメントありがとうございました。
めれ☆かりきまか
鼎には母方の祖母の実家があり、こどものころに何度か連れて行ってもらいました。懐かしいです。
しなの7号
こんばんは。コメントありがとうございます。
鼎って普通は読めないですね^^;
名古屋圏から最も近い信州の都市ということで、飯田は私が好きな街です。この最中と饅頭、飯田インター至近の高速バス乗場隣接の土産物コーナーで見つけたものですので、こんど出かけられましたら一ついかがでしょう?
hmd
夜は、更に冷え込みますね。
久々の鉄分系お菓子シリーズですね (^_^)
これも、なかなか凝っておりますね。駅売店や出札口で、名物として売ったら良いと思いますが、三セクやローカル私鉄と違い、JR東海は消極的かなと・・・。
青に白太帯の119系も懐かしいです。次第に313系に置き換えが進むと思いますが・・・ (^_^;) 観光路線でもあるので、窓が開く車両が良いのですが。
また参ります (^_^)/
しなの7号
119系電車も置き換えが迫ってきたようです。中央西線では313系新製車が増えてきまして、213系や313系の固定セミクロスシート車の数が減ってきました。これらの車両で飯田線の119系を置換えるものと思います。
飯田線も佐久間レールパークが閉園してからは秘境駅で売り出し中ですが、拠点駅でのお土産、記念品等の販売が充実すると一般受けすると思うのですが、こういうお菓子も駅にあれば目に付きますから結構商売になるのでは?
てつ
単に兵隊、鉄砲玉が欲しいだけとか。
しなの7号
そもそも拙ブログでも、右カラム内にいちいち注意書きをしても、いっこうにお構いのないコメントが投稿されることが頻発しているのですが、一部の鉄ヲタの行動や感覚には目に余るものがあると感じますし、鉄道会社で手を焼いておられるのは確かで、彼らが鉄ヲタ全体の印象を悪くしているのじゃないでしょうか。鉄道はシステム化された輸送産業でありサービス業ですから、鉄ヲタによく見受けられる、マイペースで我が強く、他人への思いやりに欠けコミュニケーションが得意でない者には難しい職種だと思います。自分もやや思い当たるところがありますから、適性を欠く鉄ヲタはけっこう多いかも??? 少なくとも、本文に出てくる2名は、JRを希望して不採用になったわけではありませんので念のためw