【542】 スチール棚の企画展3:ジョイフルトレイン(前篇)

9月に「スチール棚の企画展2:統一感がない列車たち」 (前篇)(後篇)で、一編成中にバリエーション豊富な列車を眺めて楽しんだあとは、統一感を持った列車の企画展示に戻しました。

今回は普段着の列車たちでなく、ビジネスユースでもない、国鉄時代に誕生したジョイフルトレインたちで、すべて機関車が牽引する客車列車です。
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こういうジョイフルトレインは、機関車との組み合わせが走行線区によってバリエーションが豊富なので、その意味では「統一感がない列車」と位置付けられる場合もあろうかと思いますが、専用色の機関車まで用意して、統一感を求めたジョイフルトレインもありました。展示したもののうち、乗務したことがある編成については、過去に記事をアップしていますので、そこへのリンクも交えながら、簡単に各編成をご紹介していきます。
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全部で10編成ありますので、記事は前後半に分け、今回は前半5編成を登場させます。

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●長野鉄道管理局の和式客車「白樺」
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 12系座席車から改造された6両編成でした。若葉と白樺の木をイメージしたらしい客車とは思えない明るい塗装が大いに目立ちましたが、さすがに汚れが目立ったのか、国鉄末期には黄緑色が濃い緑色に変更されたと思ったら、分割民営化後にはさらに別編成のように車体全体が濃緑色の塗装に変更されイメージが一変しました。自分的には登場時の塗装が好きです。ここでの牽引機関車は信州にもっとも似合うEF64の0番台です。

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●東京南鉄道管理局の和式客車「江戸」
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 12系座席車から改造された6両編成でした。落ち着いた紺色に裾の赤白ラインの調和も見事で、車体と「South」(南局)の頭文字「S」を図案化した白のアクセント(上の画像にあるように、片側は窓配置の関係で「S」には見えないですが、2~3枚目の画像では「S」に見えます)が両端展望車車体に大きく描かれていて、青い直流電気機関車が牽引するのが似合うと思いました。国鉄末期の登場でしたから仕事でかかわることはありませんでしたが、東海道・中央西線でもよく見かけました。模型では地元のEF64の0番台に牽かせてみました。

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●大阪鉄道管理局の欧風客車「サロンカーなにわ」
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 14系座席車から改造された7両編成でした。金色塗料を使い編成の両端を展望車にして重厚なイメージの列車でした。分割民営化後に、車体塗り分けはそのままに、トワイライトエクスプレスに似た配色に変更され現在も健在のジョイフルトレインですが、当模型鉄道では国鉄仕様の初期塗装車が配置されています。模型牽引機は初めて乗務したときの牽引機EF58です。
2度乗務したことがあります。
【164】 臨時列車の乗務(6):EF58牽引「サロンカーなにわ」前篇
【166】 臨時列車の乗務(7):EF58牽引「サロンカーなにわ」後篇
【364】 臨時列車の乗務(19):お座敷列車「いこい」と「サロンカーなにわ」

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●高崎鉄道管理局の和式客車「くつろぎ」
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 12系座席車から改造された6両編成でした。改造前と同じ青系の塗装だったので、あまりインパクトがないですが、これも分割民営化後には別物のような茶系色の塗装に変更され、同様に茶色に塗色変更したEF64 1001が似合いました。高崎局では、その後に登場した「やすらぎ」編成のほうが有名ですが、自分が乗務した初めてのジョイフルトレインが「くつろぎ」でしたので、あえてこちらの模型を所有しているわけですが、さすがに人気がなかったとみえ、特にこの国鉄仕様の旧塗装は某量販店でディスカウントされている現場を見て、ちょっとがっかりでした。牽引機は青い直流機なら似合いますので、乗務したときの牽引機EF65PFにしました。
実車のうち2両が碓氷峠鉄道文化むらに新塗装の状態で保存されています。

全くの余談ですが、6号車のスロフ12 821につけられた「男体」の名前についてのエピソードは 
【161】臨時列車の乗務(5):高崎のお座敷列車「くつろぎ」
で紹介していますが、別に改めて見ていただく必要は全くございません。

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●東京南鉄道管理局の欧風客車「サロンエクスプレス東京」
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 14系座席車から改造された7両編成でした。欧風客車の嚆矢としてシックな茶色に派手な赤とベージュのラインがおしゃれです。流線型の展望車スロフのスタイルは、洗練されたデザインで、室内も個室で新時代の鉄道をアピールしていました。機関車は同系色のお召機EF5861がよく似合い、専用機のようになっていましたので、模型でもそのように編成してみました。乗務は一回のみで、そのときはEF65PFの牽引でした。
【291】 臨時列車の乗務(16):サロンエクスプレス東京

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次週に続きます。

この記事へのコメント

  • 北恵那デ2

    おはようございます。「見ていただかなくていいです。」と言われますと見ないわけにはいきませんので、「くつろぎ」のリンクはしっかり見ておきました(笑)。これらほとんどのジョイフルトレインはもうありませんが、「なにわ」はあるんですか。東海には機関車そのものが無くなりましたが、もし中央西線に団体のお客さんがありますとEF64 1000番台を借りて運行するのでしょうか?そうなりますと沿線にSLでも走るかのような人出でしょうね。ところで、こういう車輌カタログ的な特集は、お子様から成長しないオタにとっては最高でしたよ(笑)。
    2014年12月18日 07:56
  • NAO

    しなの7号様 おはようございます。
    ジョイフルトレインが団体客になるか、臨時列車が運転されるかでないと乗る機会がありませんし、実物もほとんど見たことがありません。ですので、貴ブログの各編成乗務記事は楽しく拝見させていだいております。
    職員さん達が回送列車内で記念にグッズの買い物をされたなんて、ホント、昭和っていい時代ですね。
    2014年12月18日 08:23
  • しなの7号

    北恵那デ2様 おはようございます。
    地元以外ではわからないというのは、ローカル急行の列車名でもありました。「らいでん」「はやちね」「いいで」「はんだ」などなど…知らないと由来が何なのかわからない。
    中央西線でEF64 1000が客車を牽引ということになれば話題性がありそうですが、そのような団体列車を企画するような兆しは見られませんね。北斗星廃止で明治時代から長く続いた機関車牽引客車列車時代が、ある意味終止符を打つと言えるのではないでしょうか。
    2014年12月18日 09:58
  • しなの7号

    NAO様 おはようございます。
    この手の列車は乗り鉄にとっては乗りにくい列車ですので、対象にならないか、逆に機会あるたびに狙って乗られる方とに分かれるところでしょうか。私の場合は撮る側でなじみがあった列車たちです。国鉄時代から分割民営化後も、地元中央西線にはこれらの列車は時折入線していたものです。 「グッズの買い物をする車掌なんかいるの?」と日食クルーの方に聞いたら、「けっこうありますよ」っていうことでした。私が転職した先もバブル崩壊前はおおらかでしたから、民営化を前提に国民の信頼回復に向けて職場規律をやかましく言っていた国鉄末期のほうがどれだけ厳しい規律で縛られていたことかとしみじみ感じたのもまた事実です。いずれこの会社も国鉄と同じようなことになるときが来るのかも…と思っていたら、バブル崩壊で社会全体が変わってしまいました。
    買物の件をはじめ、私の国鉄在職中の行動も、昭和の良き時代なら一般社会で許されていた範囲の出来事ということにしてお許しいただきたいと思います。
    2014年12月18日 10:08

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