倉庫用スチール棚に置いたNゲージの小レイアウトが完成するまでのことを連載しています。
電動ポイントの配線はできるだけ束ねてまとめ、一段低くなった水田予定地と駅予定地の段差部分に作る厚紙製の法面の裏側に通します。水田の表現は簡易にして家にある人工芝の端切れを利用します。将来、ポイントマシンの故障などで配線をつなぎなおす必要が生じた場合に、人工芝をめくり紙製の法面を捲り上げれば破壊する個所を最小限にすることが可能です。
その法面となる紙を、合板部分に少量の木工用接着剤で接着します。これで配線部分がトンネルのように覆われました。水田になる一段低い部分は、とりあえずそのままにして、後で人工芝を敷きます。
駅前に続く舗装道路部分には、厚紙を貼ってあります。後でその部分にグレーの塗装をします。線路間のスペースには、ブラウン系の繊維壁(建築用)に、調色のためアクリル絵の具を混ぜてから、下地の上に盛っていきます。そのほかの道床わきの土の表現も同様の方法で繊維壁を盛って下地を隠していきます。
この繊維壁ですが、実は30年近く前にレイアウトの地面や道床用としてホームセンターで買った残りです。レイアウト製作に使う以外に使い道がありませんので、レイアウト製作のたびにこの繊維壁を使ってきました。粉末状で糊も混ぜてある製品なので、水と混ぜて練るだけでよいのですが、そのままだといかにも「壁」なので調色を要します。
下地に押し付けるように塗って乾燥を待ちます。プラ(道床部分)には相性が悪く接着せず、乾燥すると隙間ができたりして見苦しいですが、パウダーで仕上げすれば目立ちませんし、下地の合板や厚紙との食いつきは問題ありません。今回初めてスタイロフォームを下地に使ったのですが、今のところ乾燥しても剥がれたりしていません。同じように土の表現用に以前使った黄土色の糊入り京壁(建築用)の粉末も残っていて、これもスタイロフォーム下地で土の表現用に使えるか試してみました。下の画像では、その試し塗りした跡が画面右上に見えます。これも余りを消費するつもりで、このあと酒蔵の敷地(未舗装部分)に塗りたくることになりますが、たいへん塗りにくく平らに塗るのは困難で、下地との食いつきもよくありませんでした。実際の建築で断熱に使うスタイロフォームのうえに直接壁材を塗りたくるなんて聞いたことがありませんから、当然です。
<2018.2.2 訂正&画像追加>
2種類の壁材を廃棄しようと思い、入っている袋の裏側を見たら、どちらにもアスベストが含まれていない旨の表記がされているのに気が付きました・・・ 廃棄するのは取止め、また何かに使用することにしました(^_-)-☆
レイアウト右手前のポイント切り替えスイッチ部分には5基全部のポイント切換配線が集合しています。この部分も後々のメンテンナンスが必要となった時のことを考慮して、いったん合板に貼り付けたスタイロフォームを少しカットして、配線を通す地下スペースを設けて、側面と上面を厚紙で覆う構造にしました。画像では一部の線路道床面に濃いブラウン系の着色がされていますが、これは以前使用していたレイアウトで着色したもので、新たに着色したものではありません。線路わきに繊維壁を貼り付けたあと、改めて連続する隣の線路道床との色調を一体化させるために着色し直します。ブラウン道床と新しいグレーの道床の線路とが混在するので、その辺も考慮しなければなりません。
道路部分を着色して、駅前商店街の建物を接着します。建物はプラ製ですが、あえてスタイロフォームベースとの固定には木工用接着剤を使いました。気が変わって建物の配列や種類を変える可能性もありますので強度は求めません。ゴム系接着剤をしようするとスタイロフォームが融けてしまうので厳禁です。
次に、法面部分の表面処理をしました。雑草が茂っている状態で、モコモコな表面を出すために紙粘土を使いました。紙粘土は新聞紙をシュレッダー処理してから、家にあった洗濯糊を水に混ぜて練って作ります。
法面の下は水田用の人工芝を敷く部分。上は島式のプラットホーム建設用地。
川になる部分↓ 左に酒蔵を建設する予定です。
川には橋梁が2か所必要になります。
そのうち手前の1か所はR177㎜の急カーブ上なので、既製の橋梁製品は使えません。
奥にあるもう一か所のほうは直線ですが、あいにく手持ちで余った鉄橋はありませんし、緊縮財政下では購入するつもりもありません。
それに奥の鉄橋は酒蔵の後ろ側になって、どうせ正面からは見えません。簡単に済ませたいので、2か所とも適当に厚紙で造ってしまうことにしました。
切り出したスタイロフォームに厚紙を上下から挟んで接着しただけのコンクリート橋。
切り出したスタイロフォームを芯にした厚紙をコの字型に折って、両サイドに細い厚紙を貼って覆っただけのガーター橋。紙厚が薄すぎて、乾燥後に歪みが目立ってしまいました。これはいずれ手直し・・・というより、一から造り替える必要があります。
この記事へのコメント
NAO
レイアウト製作もだんだん佳境に入ってきましたね。
街づくり計画、土地造成、線路敷設、建造物の責任者を兼務され、また、開業後も街の首長かつ運転取り扱い、転轍機梃子操作に至るまでいくつもの現場責任者になられるわけですから、お身体にはご留意下さい(笑)。
運転時における各操作ではやはり指差喚呼は必須となるのでしょうか。
しなの7号
このレイアウトはマンション共用廊下に面した北側の部屋にあって、寒いので年明け後は運休が連続していますし、街も動きがありません。したがって多種多様の職務を兼任しておりましても今はヒマです。ただし本文に書いたアスベスト問題には地元住民から調査を求められ、本日午後から調査を始めたところであります。それで工事に使用されなかった残土調査をしたところ、アスベストは含有されていないことがメーカー仕様から判明したので一件落着しそうです。(本文に加筆しました。)
「急行火の山2号進入注意!」などと指差喚呼はしてません。共用廊下を通る隣人に、鉄道マニアが年を取るとああなるんだなと思われてしまいます(;^ω^)
としおちん
レイアウト製作は作業中も楽しいものですね。スタイロフォーム、慣れると中々に使い勝手が良い材料だと思います。私、畳屋でして、ボード畳の構成材がスタイロフォームという訳で、私のレイアウト、ほぼスタイロフォームの塊といった具合です。レイアウト製作状況も含め、今後も楽しみに拝読させて頂きます。
しなの7号
レイアウト製作中は、旅行の行程をあれこれ考えて出かけるまでがけっこう楽しかったりするのと同じような感覚に思えます。
平成一桁時代に、数年間建築関係の方と接する職種を担当し、そこでスタイロフォームを知りました。加工がしやすく軽いのでレイアウト以外にも用途はいくらでもありますね。
そのとき、「今どきは昔ながらの畳なんてなかなかお目にかかれないですよ」と教えていただき、スタイロタタミの構造も知りましたが、それまで私は畳表が天然素材でない畳のことだと思っていました(;^ω^)
はやたま速玉早玉
このようにレイアウト造りを順を追って解説頂くと、拝見している側もワクワクしてきます。製作中の試行錯誤もレイアウト造りの楽しみの一部なんだなぁ、と想像できます。
以前コメントさせて頂きましたが、私はレイアウト造りは行わない派です。その本当の理由は、超の字が付くほどの酷い不器用でして…(苦笑)
切ったり貼ったり削ったり、上手くこなす自信は皆無です。人工芝と言われても、野球場しか想像できません。しかもその野球も苦手、球技全般苦手とホンモノの不器用です。球場で観戦した事もありますが、ホームランの球が飛んできて当たってしまうのでは、と考えるとコワイコワイ(。>д<)
しなの7号
レイアウトはあくまでも鉄道模型の楽しみ方の一分野にすぎず、模型の楽しみ方はさまざまですが、決して器用さは関係ありません。器用さと大きく関係すると思う分野といえば、あの小さな車両に細かい加工をして車両を引き立てること。ああいうことは、私にはできませんが、それに対してレイアウトは対象物が大きいし、デフォルメの範囲も大きいので、たとえ不器用で大雑把な加工であっても(ここの鉄橋のように)細かいことさえ気にしなければ、今はさまざまな既成品のストラクチャー類が発売されていますのでハードルは低いです。
そういう私も球技はことごとく苦手で、野球観戦のお話を聞いて、自分と同じ思いの方がおられるのに安心した次第です。複数のことを同時にやる器用さがないので、例えばデスクワークをやりながら外部からの電話をサッと取ったりするときの反応は遅いほうでした(-_-;)