【853】 スチール棚の小レイアウト開業まで:5
倉庫用スチール棚に置いたNゲージの小レイアウトが完成するまでのことを連載しています。
形としては大部分完成しましたので、細かいところに手を入れていきます。
樹木を植え、草の表現はパウダー、土手部分はKATOのフォーリッジクラスター(スポンジを崩したようなもの)をむしって貼り付けたりしてそれらしくしました。
これらは全部手持ちの残りで、新規に購入したものはありません。これまでの経過からもお判りのように、どうしても必要なものだけを最小限買いたすうようにして節約しました。電柱にも経費をかけたくないので、100均で竹製の長い爪楊枝(短い竹串?)を買って加工しました。
過去の経験から、電柱はレイアウトのメンテナンスをするうえではたいへん邪魔くさい存在で、プラ製既製品を折ってしまったことは数知れず。ですから電柱はないのがいちばんよいのですが、街ナカでの電柱の存在は景観上の生活感を醸し出してくれますし、鉄道用の電柱は、車両の存在感を引き立たせてくれます。これまで造ったレイアウトでは電柱はあっさり省略したこともありましたし、奥のほうだけに建植したこともあったのですが、今回はレイアウトのベース板が柔らかいスタイロフォームですから、地面に挿すだけで接着せずにメンテナンス時には抜き取りができるようにしてみました。それに鉄道の電柱のほうは、形状を架線柱にしたものを別に作って取り換えれば、将来的に電化路線にすることも可能になるわけです。そうすれば、駅の雰囲気も小規模にしてありますので、ローカル私鉄の混合電車などが入線しても不自然さを感じないように思いますがいかがでしょう。
2つのプラットホーム(手前貨物用・中央旅客用)に上屋を設置。これらも廃棄したレイアウトからの発生品の再利用ですので、広いホームには横幅が短すぎます。
踏切警報機を作ります。家にあった普通サイズの爪楊枝を支柱にして、X印の標識は厚紙から切り出しました。遮断機も爪楊枝を使いましたが、太すぎるので縦に細く切って適当に接着剤で組んでおしまいです。
これに着色すればそれらしくなりますが、全体に大きく作りすぎました。しかしこれ以上細かい工作は、私には無理そうです。最後の詰めでいつも手抜きをしてイメージを壊してしまうのは、いつものことです。
細かいことにこだわれば、当然よいものができるはずで、今の模型界には自分で作ることができない小さなパーツが実にリアルに製品化されていますから、そういうものを使えば車両もレイアウトも、素晴らしいものが素人でもできるものですが、そのための出費は半端なものではありません。そういうこだわりこそが趣味の趣味たるところなのでしょうけれど、自分の身の丈を考えて、ここまでなら妥協できるという切り捨てるべきレベルを決めておくことは大切です。私の場合は何事にも意識的に切り捨てるレベルを下げていますので、今回も元鉄道員なら外せないだろうと思う標識類など、線路端にあるべき小物は当面省略です。ホンモノの線路端にはほんとうにいろんなものがあり、すべてを再現するといいのですが、安定した走行ができることを第一に考えた場合、それらの存在は非常に困りものでもありました。レールのクリーニング中に折れたり破損するのは電柱と同じで、入換標識やトークバックなど、掃除機の餌食になっていくつも吸い込まれました。パーツ箱にストックしてあるものの中に使えそうな小物が後日見つかれば追加することはあるとしても、わざわざ追加購入することはもうないと思います。
酒蔵や商店街には看板の類を貼り付けます。製品に付属したシールはほとんど使わずに、下の画像のように自分で作ってプリンターで出力し、切り出して建物に接着しました。
これでほぼ完成ですが、ベースとなった合板とスタイロフォームの側面は、素材が目立ちましたので、周囲を「リメイクシート」という粘着シールになっている模様入りビニール製シートで被うことにしました。100均で調達できるものです。
「リメイクシート」をベース板の厚さに切って、貼り付けるだけです。スタイロフォームとの相性があやしく、粘着剤がいつまで経ってもネバネバしていて簡単にめくれてきそうですが、木材部分(角材+合板)との接着は大丈夫のようなので、そのままになっています。
このように、家にあるパーツなど有効利用してここまで完成しました。あとはホコリ対策のアクリル板の設置です。引き違い開閉式としたので900㎜×30㎜板厚3㎜のアクリル板を楽天モール内のストアで2枚購入し、これが今回のレイアウト建設の最高額出費物件となりました。(と言っても2枚で税込2,808円)
これにアクリル板をスライドさせるのに必要なレールをホームセンターで買い、スチール棚の上下にスペーサー用の角材とともにスライド用レールを上下それぞれゴム系接着剤で固定し、作業終了となりました。
これでスチール棚の製作記は終了です。来週は完成後の様子をいろんな角度から撮影した画像をアップします。
この記事へのコメント
ヒデヨシ
手作りストラクチャー良いですね。
ものぐさな私ならお金は掛かっても買ってしまうところです。
ですが
木柱の架線柱とかあまり市販品とかないですね
私、レイアウトでは水田の中を走る線路に憧れています
表現が難しいであろうことは想像できます。
そして九州時代子供の頃よくみた
田んぼの野立看板、それも九州ならではの「カクイ綿」立てたいです。
しなの7号
いやいや、オカネない人が鉄道趣味を持つとこんなもんで、自作が主流です。そういえば実物の木製電柱って見かけなくなりましたが、昭和の時代は道路沿いも、ローカル線も電柱は木製が多かったですので、これまでもプラ製架線柱なども茶色に着色して建植したことはあります。
今回作った看板類は建物用ですが、田んぼの中の野立て看板、広告塔の類は、レイアウトにはほしいアイテムです。看板好きな人ですので、そのうちに目障りにならない程度に追加するかもしれません。
くろよん・ちくま82号
しなの7号
この遮断機や電柱はNには太すぎました。むしろHOスケールならちょうどいいかもしれません。特に遮断竿は縦に切って細く加工しました。
はやたま速玉早玉
なるほど、つまようじ架線柱を差し込むだけで電化路線の設定がいとも簡単に出来ますね。イメージはやはり北恵那鉄道でしょうか。
清酒『恵峰』は恵那山を、『坂本』信用組合は美乃坂本を思わせます。付属品をそのまま使うと、今一つしっくり来ないです。自作して思い思いの屋号を付けた方が愛着が湧きますね。
ヒデヨシ
私が高校生時分通学で利用していた名鉄河和線
少なくともローカル線ではないのに
木製架線柱、木製枕木(変な表現)、30kg/mレールの三点セットの線路でした。
もちろん電車は吊り掛けモーター
国鉄で言うTR11のような台車で
素晴らしい揺れ、いやいや跳び跳ね下を噛みそうでした。
当時太田川車庫のある太田川駅をNで作ろうと思っていました。
名鉄車種市販品0でしたけどね
しなの7号
今の非電化状態では国鉄明知線のイメージで、電化すると北恵那鉄道も想定内?…ではありますが、市販の北恵那完成車両がなくて、以前購入したキットも手付かずで完成見込みがないので、今ある北恵那風塗装の怪しい改造車がそのうちに走行試験することになるかもしれません。
清酒恵峰も坂本信用組合も架空のものですが、他の店舗には実在した屋号や、それに似せた屋号も使っています。美乃坂本駅前の商店街も、このように線路に並行していました。酒蔵はなかったものの、かつて駅前にあった木造農協倉庫は大きくて目立ち、レイアウトには自分が目にしていた風景が少しずつちりばめられています。こうしたレイアウトは造る人それぞれの思い入れが違うのはもちろんのこと、育った境遇によって、同じ配線であっても十人十色で味付けが異なってくるのが面白いところだと思います。
しなの7号
レイアウト上の表現も、名鉄と国鉄とでは、今も昔も、同じ時代設定でもまったく違うものになりますね。それにしても名鉄車両の模型は最近充実してきましたね。昔はロコモデルから16番名鉄のペーパーキット(受注生産?)が出ており、かといって完成見本を見ることもなく、ただ価格表を見つめながら、どの程度の物ができるのだろうと思っていました。600V用の小型車がほしかったのですが台車を別に探さねばならず、小型の台車が調達できなかったので購入には至りませんでした。
今は、ウチにはNゲージの名鉄旧600V線用小型車両が数両在籍していますので、木製架線柱を作って交換して走らせれば、レイアウトの風景にはそれほど違和感がないと考えています。いずれ試運転をします。