これまで3台続けて2ドア車を乗り継いできて、初めてステーションワゴンに移行しました。結婚することを前提に購入したのでファミリーユースにシフトした結果でした。
購入したのは車掌をしていたころで、当時の国鉄では貨物取扱いが廃止される駅が続出しており、増収策として遊休地になった貨物ホームを駐車場として賃貸している駅がたくさんありました。いつも乗務していた武豊線半田駅でも、貨物用ホームとその周辺が月極駐車場として利用されていたらしく、そこにいつでも同じ位置に、白にウッドパネルを貼ったサニーカリフォルニアが線路のほうに背を向けて停められていました。乗務中の列車から、その後ろ姿を見て、私は「ステーションワゴンなんて一般にはライトバンと同格に思われがちだけれど、これこそが使い勝手が良いカタチであって、ウッドパネルによって普通のバンとは一味違う個性がにじみ出ている」と思ったのでした。
SGLよりスポーティな装備のSGXが頂点でしたが、両者の違いは、タイヤと内外装の些細な違いがあるだけで駆動系は同じで、少々SGXより安く、やや内装を充実させたのがSGLでした。実際に買って思ったのは、内装のセンスはひと昔前を思わせ、今まで乗っていたカローラのほうが格段に良かったことでした。しかし車体は決して大きくないのに、思ったとおり車室内は格段に広く使い勝手はよく、自分の用途には最適でありました。
これまでは、単独行の峠越えで、けっこうワインディングで一般車の通行が制限された林道や、落石や転落の危険が付きまとうような峠道を好んで走りに行っていたわけですが、一家の主になることを考えれば、今後はそういう危険にさらされるところへ単独で行くこともなくなるわけで、そういう条件がなければ、スプリンターカリブとかレオーネバンといった4WDを買うことになったと思われ、両者のカタログや価格表を熱心に見比べていました。
初めてのFF車で、通常はショッピングなどに使い、ときには自転車やミニバイクを載せてアウトドアユースもあり。けれど出かける先は困難が伴わない一般国道中心。というように使い方が変わりましたが、行動範囲は広くなりました。
子供が生まれると、後ろの荷物室はオムツ替えスペースにもなりました。そして国鉄を退職して転職に伴って転居した時もこの自動車で何度も引越し荷物の運搬をしましたから、ステーションワゴンの特徴は活かされたはずで、車種選定に誤りはなかったと考えます。
ところが転居先は公営アパートで、専用駐車場がなく、敷地内の駐車場が戸数分確保されていなかったので、いったん出かけて帰宅時刻が遅れてしまうと、もう駐車場は満車で、アパート周辺に路上駐車することになる環境でした。そんな物騒なところでしたから駐車中に後部ドアのガラスが割られたり、ドアのカギ穴をドライバー様のもので壊されたこともありました。
これまで乗り継いだ自動車にはタコメーターがあったのですが、このサニーには最上級のSGXだけに標準装備されていました。そこでタコメーターは後付けでLED表示の社外品を取り付けました。下の画像の左上に見えます。同様にフットレストもSGLにはオプション設定さえなかったのですが、サービスで付けてもらいました。
この自動車までが、カーライフを楽しむため自分なりにこだわりを持って、車種やグレードを選んでいた時代でした。転職してからは基本給は下がったし、夜勤仕事がなくなった代わりに自動車を運転するのは週末だけ、そしてすぐに下の子も誕生しましたから遠出もできなくなりました。
転職先では仕事の関係で会社の自動車を運転する機会が多かったという反動もあって、プライベートでの一人旅は青春18きっぷなど、格安な乗車券類を多用した鉄道利用が増え、国鉄在職中とは反対に公共交通機関を使うことが増えました。そうかといって、このころは家内の交通手段は原付バイクだけで自動車の運転免許は取得していませんでしたし、幼児がいる生活には買い物や通院など日常生活に自家用車は不可欠なアイテムでした。家族で泊りがけで旅行に行くときは鉄道でしたが、日帰りドライブには時々出掛け、稼働率がよくないとは言っても手放すわけにはまいりませんでした。ただ、通勤にはバスと鉄道を利用していました。路上に停めた翌日の朝は出勤前に空いた駐車場に入れてからバスで出勤し、1~2週間はその場を動かないようなこともあり、ときには広い車内は物置代用になったりしながら、この自動車には9年近くお世話になりました。
家庭を持ったこと、転職に伴い転居したこと、趣味の変化、ということが自分にあって、自動車の買い方も使い方も、考え方までも変わっていき、これ以後の自動車は移動道具になったわけで、買い替えのスパンは長くなります。しかしここまで意外にも自動車のシリーズ記事は多くの方々にご覧いただけたので、以後も遍歴は毎週継続してアップしてまいります。
<ニッサン サニーカリフォルニア1500SGL>
型式E-WHB11型(初度登録1983年)
エンジン E15 排気量1.487リットル 直列4気筒OHC
5速MT FF
所有:1983~1992年
走行距離:約64,000㎞
消費燃料:約4,550リットル
平均燃料消費率:約14.1㎞/l
最高燃費記録:約18.1㎞/l(1984年5月4日)
最低燃費記録:約10.2㎞/l(1992年2月1日)
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この記事へのコメント
ヒデヨシ
サニーカリフォルニア!
私が国鉄退社して入社した映像会社の技術部門の上司(専務)がこのウッドパネルで一目で判るカリフォルニアに乗っていました。
ある日これはライトバン?と訪ねてみたところ
「いや、ステーションワゴンて言うんだ。
まあ日本語で言うと駅馬車だなガハハハ。」
と言われたのを覚えています。
運転したことは無いので性能とか判りませんがその会社サニーばかり社用車として使っていたので同時代のセダン(社長)や営業車の2シーターライトバンはよく乗りました。
今回はアルミホイールも無しで実用に徹しているのですね。
上写真から時が経ちルーフキャリアが装備されていますが飾りのはずがなく何を運んだのでしょうか?
私はガゼールをの足元変えたり2ピースアルミホイールや105タイヤ履いたりして乗り心地悪化。
だんだん嫌になり昭和58年にまた新車に買い換え
出たばかりの真っ赤なファミリア1500XG-Rターボ車です。
5代目ファミリアはカローラを抜く売れ行きで大ヒット。
ただフェンダーミラーがダサい。
この1500XG-Rからなんと法律が変わり国内仕様もドアミラーOKになりました。
とは言っても室内から手動レバーで調整する仕様です。
作りは小型車にも関わらず意外やかっちりしていて満足でした。
ガゼールもそうでしたがもう多連メーターの時代は終わっていて大きなクリアパネル内を区切って配置でした。
ターボは走行後も高速で廻っているのでそのままアイドリングしクールダウンしなければいけないのですが面倒なので怠り2度壊して取り替え2度目の修理の時に
キーを抜いても勝手にアイドリングしてその後止まるターボタイマーを取り付けました。
オハフ33
しなの7号
「ステーションワゴン=ライトバン」という認識は一般的にあると思います。乗用車と同等の性能で車室を有効に使えることが最優先になり、国鉄退職後のアパート住まい、豪勢な家族旅行もできず、鉄道なら青春18きっぷ、車なら近くの河原や公園の駐車場で、バックドアを開放して、そこで弁当を家族で食べるとかいう生活になりましたから、けっこう有効に使えた実用車でした。ルーフキャリアは何も役に立ちませんでした。車室が長いので、たとえばホームセンターでレイアウトのベース板や角材を調達したときでも車室内に積載できましたので。
FF車が主流になったころ、車いじりをしなくなりました。タコメーター後付けの理由は効率よい回転数でシフトアップする目安がほしかったためでした。
赤いファミリアはよく見ましたね。3ドアの赤はいちばんカッコよく思えました。ドアミラーへの移行期でしたか。
実は天邪鬼だもんで、ダサくてもフェンダーミラーが見やすくて未だに好きです。このあと逆にフェンダーミラーがオプションになり、しかたなく?この次からドアミラー車に乗っています。ついでに言うと、実用本位の私としては、ドアミラーは手動で十分で、車体色に合わせたり、ウインカーまで内蔵する必要性を感じません。あとパワーウインドウも嫌いで、手動式が好きです(*´▽`*)
さて、そういう基準で次に私が買った車は…???
しなの7号
ご覧いただきありがとうございます。だんだん、一般的な人気車種から、買い替える1台ごとに理解しにくい車種選択になってきます。よい言い方をすれば実用的な選択に移行した?のですが、所帯じみた生活に染まっただけです(;´Д`)
今は自分も2人暮らしなので、それなりのこだわりを持った車種選択は可能ですが、自分に必要にして十分なものの基準が自分の中で出来上がってしまい、車種選択に関してはサニーカリフォルニア路線を歩んでいます。
趣味の車と実用車の違いが、楽しむこと(実用性から見れば無駄)と移動すること(趣味的に見れば面白味のない道具)、というように相反するもので、趣味の車は不便さが楽しいというのか、遅くて非力で煤煙まで出るSL列車の魅力に通じるところがあります。田舎ですと乗用車と軽トラを所有するのが一般的ですが、普段使いと趣味の車があると理想です。しかし車は乗らなくても所有するだけで経費がかかるものなので、私のような貧乏人の趣味にはならないようです(;^ω^)
門鉄局
3月に壊れたパソコンがまた壊れて入院中、慣れないスマホからの投稿です。老眼が進んできたので小さな画面は見にくくて困ります。
それはさておき懐かしいFF最初のサニーですね。かつてはトヨタカローラと並んで人気車種でしたが伝統の名前も消えて久しいですね。このウッドパネルを貼った仕様はセドリック・グロリアにもあったと思いますが、商用車っぽさがなくなってかっこ良かったですね。なぜカリフォルニアなのかは疑問でしたが…。ステーションワゴンは運転感覚が乗用車と変わらず、荷物もかなり積めて最も使い勝手がいいと思うのですが、ミニバン全盛の現在かつてほどの人気はないようで残念です。私はS13シルビアとR34スカイラインとファミリー用には最も不適な2ドア車を乗り継ぎましたが、子供の成長とともに大きな車の必要性はなくなりました。
しなの7号
パソコン臨時入場中にもかかわらずコメントいただきありがとうございました。
私も細かい字はもうだめで、スマホでの文字入力はほとんどしていません。
FFになったこのB11系サニーから、バン仕様はADバンとして独立しましたが、特に白いボディのウッドパネルがないカリフォルニアは、ただのバンを思わせました。そのためかカタログではカリフォルニアは黄色のボディがメインで出ていました。おっしゃるようにセドリック・グロリアなど、日産車にはウッドパネルのオプション設定車種が複数あり、他社ではホンダ「シビックカントリー」にもありました。「カントリー」のネーミングはそれらしいイメージが湧きますが「カリフォルニア」とは?ですね。
車室内のゆとりを求める路線は、この先はワンボックス車を経てミニバンに行きついたということでしょうか。
長く自らが選んだ車に乗られる姿勢を貫かれた方からすると、まことにお恥ずかしいですが、やっとこのクルマから3回以上車検を受けるようになりました。
昭和の大衆車サニーとカローラ、国電だと横須賀色と湘南色のようで、どこでも見られ、みんなが知っている代名詞的な存在でしたね。
saru
しなの7号
結果的にそんなことになるかもしれません。本文中にスプリンターカリブとかレオーネバンといった4WDを買うことになったかもしれないようなことを書いたのですが、その後もスバルの4WDは手が届かない理想形でしたから気にかけていました。レガシィツーリングワゴンから初代フォレスターに興味が移りましたが、現実の次代マイカーはベーシックのさらに下をいく底辺車?というべき選択になりました(;^ω^)
はやたま速玉早玉
ああなるほど!ご結婚前提のこの段階でレオーネの購入が視野に入っていたのですね。
この当時ステーションワゴンは商用ライトバンみたく、どうしても野暮ったいイメージが付いて回りましたが、90年代に入ってようやくブームが到来、といったところでしょうか。
レガシィは使い勝手が抜群でした。フルタイム4WDで安定した足回りのおかげで雪道でも全く滑らずフラフラしません。後部座席を倒してフラットにすれば足を伸ばして寝っ転がれ、車内泊も可能でした。当時勤務先での店舗間在庫移動にも威力を発揮、仕事でも重宝しました。
ウッドパネルが時代を感じさせます。当時はこのような配色(確か3ウェイ2トーンカラーと呼ばれていたような…)は、上位グレード車でよく採用されていた覚えがあります。また、カタログの表紙も飾る位、車種を代表する配色でもありましたね。
時は流れて近年はミニバンブーム。荷物がたくさん積めてアウトドアに便利、そしてゆったり運転できる車がウケが良いみたいです。
しなの7号
自分は4ドアセダンを買ったことがありません。レガシィをお使いだった方にはステーションワゴンの良さを十分ご理解いただけると思います。前のカローラHTのときには、フトンを積んでいって、公園の遊具として設置された土管の中にフトンを敷いて野宿したことがありましたので、ステーションワゴンだと車中泊には便利そうだと思ったのも事実ですが、そういう使い方をする機会は一度もありませんでした。
ツートン特別仕様車がはやったことがありましたね。セールスポイントの基準が変わり、客が自動車を選ぶ基準も変わっていきますが、自分の考え方も時とともに、他人と競争して(させられて)、押し付けられた価値観に基づいて作られた頂点を目指したりしないで、自分らしい生き方へとシフトしていく過程を、乗り継いだ自動車1台ごとに感じます。
やくも3号
サニーカリフォルニア、大阪のおっちゃんが言うカルホルニヤです。
サニーもFFのB11型になると、見た目がもうじゅうぶん現代の車という感じがしてきますが、しかし37年も前に登場した車なんですね。ということは設計開始は約40年前。。
昔から言われていることですが、トヨタ車の女性的な内装に対して、日産車の伝統で事務的というか愛想がないというか男くさいというか・・・
しなの7号
「カルホルニヤ」は大阪のおっちゃんだけじゃないですよ。うちの父母の世代の発音は皆同じ。それは違うと指摘すると、「俺んたあは、敵国語なんか使っちゃいかんと言われとったで言えるわけない」と開き直られます。「コンビニヤストヤ」とかも言ってましたが、もう指摘しません。(コンビニエンスストアのことです)
見た目はともかく、カタログのページを繰りますと、やはり40年も前に設計された自動車だなと思わせることだらけです。見た目へのこだわりがトヨタ車にはあっ「おしゃれ」すなわち女性的というのは当たりだと思います。