前車のサニーカリフォルニアには9年近く乗りました。日常生活に欠かせないながらも依存度は多くはなく、その後半は雨ざらしの環境で、洗車も年に1回~2回。さすがにくたびれてきたので、買い替えたのがスプリンターワゴンでした。
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サニーカリフォルニアで、ステーションワゴンの使い勝手の良さを知りましたので、4ドアセダンタイプの選択肢はありませんでしたし、ワンボックス車という選択肢も当時はありましたが、価格差と重量増は避けられず、乗用車的な運転感覚を維持したいこともありました。それ以外に車種の選択に当たっては「目立たない自動車にすること」「子連れで出かけることに支障がない大きさであること」「使用頻度が少なく、どうせ子供に汚されるからグレードは低めで十分」ということを選考基準としました。
もうこのころ私は「自動車は移動ための道具」という考え方になっていました。目立たない自動車にする理由は防犯対策で、前回書いたように、車庫がない環境で、ガラスを割られたりドアのカギ穴を壊された経験をしたからでした。カリフォルニアのウッドパネルは目立ちましたから、単なるいたずらにしても、車上狙いにしても、そういう車種は狙われやすいと思ったからです。
車体色は灰色系の紺色にして、ただの商用車を装いました。その効果かどうか不明ですが、この公営アパートに住んでいた期間は、サニーカリフォルニア時代よりこの自動車に換えてからのほうが長かったのに、そういう被害には一度も遭わずに済みました。それでもこの色は5ナンバーの乗用車仕様だけに設定があり、バン仕様には設定がありませんでした。
登録上は乗用車であっても、内装は商用車と何ら変わりませんでした。この型のカローラ/スプリンターワゴンシリーズには、内装や足回りが乗用車ベースでグレードの高いスポーティ仕様のツーリングワゴンがありましたが、このLエクストラはほぼすべてをバンベースにしてあり、すでに世は平成の時代になっていたのにリアサスペンションがリーフスプリングというのが何とも…。そういう車種なのでカタログもツーリングワゴンとは分けられており、バンのカタログの末尾に、「乗用車登録できるモデルも一応ご用意しましたよ」的な扱いで掲載されていました。実にシンプルなインパネには、もちろんタコメーターなどありませんでしたが、私にとって、これが初めてのAT車でした。当時のAT車には効率の悪そうなイメージがありましたが、あまり使用しない自動車でありましたから、多少燃料消費率がよくなくてもやむを得ないし、街中でゴー・ストップの連続するシーンが多い愛知県内に転居してから最初に買った自動車でしたから、運転操作がラクなほうがよかろうと考えていました。この自動車を買ったころには遠出をする機会は少なくなっていました。下の画像はこの自動車では珍しく林道走りを兼ねて、宮脇俊三著「ローカルバスの終点へ」に収録されている「程野」に出てくる信州遠山郷下栗を訪ねる途中に通ったしらびそ峠で撮影したものです。
この自動車を使用している期間に、公営住宅から新築マンションに移り住みました。まだ工事中だったその現地マンションで売買契約をするために、隣接する「お客様駐車場」にこの自動車で乗り付けたときのことは、今でも我が家で語り継がれています。
駐車場の誘導をしていたマンション販売会社の人が、私のクルマを遮るように止めました。その誘導の人が寄ってくるので、(パワーウインドウもないので)手動ハンドルをグルグル回して窓を開けると、
「業者のクルマはあっちあっち!」
と、奥にある工事関係者用の駐車場の方を指さして言うではないですか。運転している者も胡散臭く見えたのかもしれませんから、この自動車を見たマンション販売会社の人が私を客だと思わなかったことは責められないでしょうね。。。。。。
そういえば、うちの子にも言われました。
「あのねえ、○○君とこの自動車は、窓が自動で開くんだよ!」
パワーウインドウなど、うちの子は見たことがなかったからね…きっと〇〇君の家のフツーの乗用車に乗せてもらって、
「すごいなあ~ 窓が自動で開くんだ!」
などと言ってたのかな?〇〇君の家の人はなんて思ったのかな?
装備はまったく充実していない安物のクルマだと人が言っても、自分にとっては初めてのAT車、初めてのパワステ装備車で、初めてのドアミラー車でした。そしてエアコンはオプションでしたから純正エアコンを付けました。この自動車にした時には消費税がすでに導入され、物品税が廃止されていましたから、エアコンを後付にして節税する理由がなくなっていたのでした。そんなこんなで、B110サニー時代に比べれば、その快適性は格段に優れていると思っていましたし、そういう基準は今になっても変わることはありません。
スタイルだって、けっして悪くありません(と、私は思っています)。今でも私はパワーウインドウより確実に作動する手動式が好きですが、今はベーシックグレード車にも、パワーウインドウは標準装備されているのですね。
この自動車にも、前のサニーカリフォルニアとほぼ同じ9年近く乗りました。今のマンションに転居してから家内が運転免許を取得したので、途中から家内も運転するようになりましたが、使用する機会は多くなることもなく、総走行距離は前のサニーカリフォルニア時代より減りました。そして、私より家内が運転することが多くなり、家内はもっと小さく取り回しが楽な自動車のほうがいいと言うようになり、このあとから我が家では軽自動車時代に入り、今日まで続いています。
<トヨタ スプリンターワゴンLエクストラ>
型式 E-EE108G(初度登録1992年)
エンジン 3E 排気量1.456リットル 直列4気筒OHC
3速AT FF
所有:1992~2001年
走行距離:約42,100㎞
消費燃料:約3850リットル
平均燃料消費率:約10.9㎞/l
最高燃費記録:約16.7㎞/l(1997年6月15日)
最低燃費記録:約9.0㎞/l(1999年1月30日)
この記事へのコメント
やくも3号
この車も、現在でもファミリアバンなどと同様に、商用車カタログの隅っこにラインナップとして残っていてもおかしくない感じがしますね。実際にはプロボックスなどにバトンを渡したのでしょうけれど。
ちなみにこの車も、プロボックスも、ファミリアバンも、作っているのはダイハツです。笑
ヒデヨシ
いよいよ実務的なお車になったんですね
なかなかスタイル良いと思います
メーターパネルの速度計以外の余白が低グレードぽいです(失礼)
足周りが時代遅れと言うのは乗り心地悪いのでしょうか?
そして
業者だと思われたお話最高。
私も大阪の何かのイベントで友人(ローカル演歌歌手)所有の1boxカーで警備員に業者エリアに誘導されました。
ボディに大きくキングレコードと書いてありましたしね。
そのまま出るまでそこに停めていました。
私は国鉄時代にファミリアに乗換て退職以降も乗っていました。
国鉄職員の車は線路脇に停めるので鉄粉が塗料に食い込み放置すればあっという間に鉄粉部分から錆びて来ます。
その後昔から憧れていた白いBMW635csiの中古に乗換
トランクリッドにゴム製のオリジナルスポイラーがついただけの大人しいスタイル
足元はアルピナもどきホイルです
1年持たずにエンジンが死んでしばらく車の無い生活
営業車乗って帰っていたし
遊びはの出掛けは付き合っていた嫁のスターレットに乗ってました。
結婚後ホンダアスコットイノーバの在庫整理の新車を購入、色やグレードはある奴からです。
その為シビックより安かったです。
嫁はトヨタで扱っていたワーゲンポロを
買い、親と同居のため親のトゥディがありました。
しなの7号
このカローラ/スプリンター・バンは製造数が多かったでしょうから、数年前までは時々見たような…と思ったら、さきほどパールホワイトのツーリングワゴンが家の近くに駐車しているのを目撃しました。高齢者マーク付きで少々くたびれていましたが…
なお、自分のこのクルマは、次の自動車を買った時に廃車前提として、納めた自動車税は月割り還付してもらうことを前提に下取ってもらったのですが、しばらくして、「下取り車は走行距離が少なく状態がいいので廃車せずに代車として使いたいので、自動車税の月割り相当額はこちらから返金します」と、その業者さんから連絡がありました。その後もしばらく活躍したものと思われます。
ダイハツはいろんな車種を製造しているのですね。知りませんでした。
しなの7号
この安っぽさがいいでしょう!! 無駄がない、ベーシックな、キハニ的な?ローカル仕様。誰もこんなクルマを自慢げにアップしたりしません。車内には金目の物はありません。所有者にもカネはありません(^O^)
カネがないから、もちろん外車など買えませんし、そもそも物騒な公営アパートの周辺に外車など停めたら、何をされるかわかったものではありません。
たぶんバン仕様よりは柔らかいサス設定だったのでしょう。タイヤが細く、セダンより尻が重いですから、限界を意識してコーナーも無理せずチンタラ運転していました。アブソーバーも早くにヘタリ感が出ました。
番外地稲沢寮に住んでいたころは、カリーナ・カローラに乗っていましたが、東海道下りの稲沢停車列車が必ずブレーキをかける線路際が駐車場だったので、鉄粉被害がありました。寮へ2~3日クルマを置いて家に帰ったら洗車!
私は家電製品ならモデルチェンジ前後、食品は賞味期限ぎりぎりの在庫整理の類には飛びつくタイプです。実用本意ならそれで十分だからですが、自動車に限っては車検制度があるので、いいタイミングに当たらず、不良在庫と自分の嗜好・用途に合致したことが一度もないです。
門鉄局
E100系は現在まで続くカローラ史上最高傑作だったと思います。クラスを超える洗練された内外装は
当時日産党だった私でも完敗だと思ったものでした。
しなの7号様のマイカー遍歴を拝見するにつけ、メーカーの思惑に踊らされることなく、何が自分に必要か否かを冷静に判断されていることに敬意を表したくなります。私は自分の腕前は棚に上げ、やれターボだDOHCだとやたら高性能車志向なのはオツムの悪さを表しているようで恥ずかしいです。
ただシルビアに10年、現在のスカイラインに19年も乗っているので一般のドライバーより車にお金を使ってない!?6ヵ月点検と車検は必ずディーラーで受けているので悪い客ではないと勝手に思っていますが…。
はやたま速玉早玉
あれっ⁉社用車をマイカーに?カローラバンかと勘違いしてしまいそうですね(スプリンターにワゴンタイプがあったのは知りませんでした)。
しらびそ峠の画像なんて、まさに道路工事関連の会社の車みたいで、何ら違和感がありません。
4速ではなく3速AT(高速運転に弱そう)、パワーウインドウにタコメーター非装備、平成の世にこのようなベーシックなグレードが販売されていたとは驚きです。私は上位グレードを所有した事はありませんでした。憧れが無いと言えばウソになりますが、あちこち出掛けた想い出が詰まった『愛車』であればグレードなんて関係あらへんわ!なんておもいます。しかも下位グレード車って、上位よりも燃費良いし(笑)
しなの7号
このクルマの直前までに乗ったのが日産・トヨタ各2台ずつ、ほとんど底辺に近い大衆車でした。そのような安い車種でも、見かけ上の話ですが内外装にセンスの良さを感じるのはトヨタ車でした。私の選択は貧乏たれ&ケチった結果であって、とても門鉄局様はじめ、こちらにコメントをお寄せいただく多くのみなさんのような、こだわりを持って気に入った車を長く大切に所有するような、真にクルマを愛する姿勢には程遠く、お恥ずかしい限りです。ただ何でも動けばいいといわけでもなく、変なこだわりを持った相当なへそ曲がり野郎との自覚は持ってますし、ディーラーさんには旨味のない客であることは承知しています(;^ω^)
しなの7号
工事関係車両を装って「〇〇建設」のテプラを貼ったヘルメットでも車内に常備しておくと、それらしくてよかったかも。高速走行はほとんどなかったですが、ODはほしかったです。(ODはディーゼル車とツーリングワゴンだけに設定)
自己の方針どおりならば、他人様がどう思おうとも自分は構いません。所有物で見栄を張ったり、その所有物の購入額や換金額を物差しにしたり、他人様と比較してどうかということを気にしすぎて、使いもしない機能をセットで買わされ、無駄な出費させられている方は多いのではないでしょうか。