【1461】 「犬のフン…の看板」その後(9)

前回の続きになります。

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これまで勝手に「恥ずかし犬」と呼んでいた看板の製品名は「犬のフン(1)」でした。
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それにしても、画像右・春日井市の犬は両目から黒い涙?を流していてかわいそうです。いたずらはやめてほしいものです。
上の画像のうち左の大治町の看板だけが、M社のカタログ上の「犬のフン(1)」と一致した内容になっています。「犬のフン(1)」は、蒲郡市、敦賀市、刈谷市、岩倉市、北名古屋市、瑞浪市で設置された例を過去に掲載しています。私の行動範囲に限って言えば、犬糞看板のうちでもっとも遭遇率が高い看板で、M社のカタログのトップを飾っている代表的な環境美化看板でもあります。
上の画像のうち、中央にある恵那市の例では、「ポイ捨て防止条例制定のまち」と付記があり、右の春日井市の例では、警告文が他の「散歩中のフンは後始末をしよう」ではなく「散歩中のフンは持ち帰りましょう」となっています。以前に犬糞関連記事で春日井市内の別の場所で発見した同じデザインの看板を2例アップしたことがありますが、いずれも警告文は「散歩中のフンは持ち帰りましょう」となっていました。春日井市では、このデザインの看板すべてがこういう警告文に変更されているのか気になったので、先日春日井市内で10件ほど現物確認をしてきました。その結果1例だけ「散歩中のフンは後始末をしよう」がありましたが、あとはすべて「散歩中のフンは持ち帰りましょう」でした。
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左が以前にアップした再掲画像で、右はつい先日発見したM社のカタログ上の「犬のフン(1)」と同一の警告文の看板です。このように一見同じ看板かと思えば、書いてある警告文が違ったり、加筆または省略という事例、実は頻出しています。そこでM社のカタログを見ていくと、「カタログに載っている定形デザインは、文字や絵柄を一部変更することができます。募集した標語や指定キャラクターの挿入等、用途・地域に合わせて、発注者の要望にお応えします」と明記されていました。以下、そんなことにも気をつけながら進めてまいります。

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既出の甚目寺町(現あま市)と、新たに見つけた岡崎市の例です。
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左は「犬のフン(3)」の警告文加筆版です。
「フンは必ず持ち帰りましょう。町も心も美しく」
とありますが、M社のカタログに掲載されている「犬のフン(3)」の警告文には「町も心も美しく」がありません。旧甚目寺町では、この一言を付け加えてほしいとオーダーしたのでしょうか?
右は「犬のフン(5)」の警告文変更版です。
「ふんを放置すると条例に違反します」
とありますが、カタログに掲載されている「犬のフン(5)」の警告文は、
「ふんを放置すると条例で罰せられます」
とあり、警告文が少し違っていました。岡崎市の条例では違反しても罰則規定がない? またはあっても空文化している?などと邪推してしまいます。現物の「犬のフン(3)」「犬のフン(5)」及びこの2つに近似した看板は他には見たことがありませんので、この先も調査を続行しなければなりません???

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上の3枚の画像をご覧いただくと、あま市(左)だけ、警告文が違っています。あま市の画像は以前にも掲載したもので、これがM社のカタログの「犬のフン(6)」と一致します。小牧市(中央)と北名古屋市(右)は市名以外はまったく同じですが、違う複数の自治体でカタログにない同じ警告文の発見例があるということは、発注者側の都合と考えるには不自然で、会社側がマイナーチェンジしたのかもしれません???

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上の画像、左は多治見市で見た「犬猫の迷惑(2)」(再掲)で、右は犬山市で見た「犬猫の迷惑(3)」(初出)です。
左の「犬猫の迷惑(2)」はM社のカタログとまったく同じデザイン同じ警告文でしたが、右の「犬猫の迷惑(3)」は、カタログとまったく同じデザインでありながら、表示されている文面は異なっていました。犬山市での画像では
「ペットによる迷惑をなくそう」
となっていますが、カタログでは
「犬の放し飼いはやめよう!
 のら猫にエサを与えないで」
となっていました。
同様に、画像右下の
「・フンは必ず持ち帰ろう
 ・犬の放し飼いはやめよう
 ・のら猫への無責任なエサやりはやめよう
 ・避妊、去勢手術を受けさせよう」
は、カタログでは簡潔に
「犬や猫のふん・尿禁止!」
と、大きなフォントの一文が印字されているだけでした。

「犬猫の迷惑」シリーズは、カタログには(1)~(6)まで掲載されていましたが、オフィシャルサイトの「新規デザイン」ページには(7)・(8)が追加されていました。「犬猫の迷惑(7)」を犬山市内で見つけました。
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M社のカタログにないから他社製品かと思っていたら、M社の新製品であることが最近になってわかりました。

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岡崎市(初出)と瀬戸市(再掲)の例です。警告文中の「まち」と「公園」に違いが見られます。過去にも左の岡崎市と同じデザイン・同じ警告文になっている多治見市と高島市の看板画像を掲載し、この瀬戸市の画像と比較したことがありました。
左の岡崎市の「まち」のほうは、商品名「犬の立て札(2)」としてM社のカタログに載っていましたが、「公園」ver.はオフィシャルサイトの「新規デザイン」ページにも現時点では掲載がありませんでした。瀬戸市が「まち」を「公園」への設置専用としてオーダーしたのでしょうか???
(「犬の立て札」シリーズは(1)~(6)までカタログに掲載してありました。そのうち(1)は前回記事で掲載済です。)

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恵那市内にあって、一見同じように見えるも警告文が違っている例
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上の画面左側がM社のカタログの「犬と猫の立て札」とまったく同じもので再掲です。「犬と猫の立て札」には付番がなく、この1種だけがカタログに載っています。右は、その後に恵那市内の別の場所で新たに発見したもので、「犬と猫の立て札」の変形版だと思われます。
さらに小牧市で、違う警告文になっている「犬と猫の立て札」(下の画像左)を発見。過去にご覧いただいた犬山市の看板(画像右)も、見直すと警告文の違いや「フン」の文字色の違いに気が付きましたので再掲しました。
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4つそれぞれに違いがあって、発注された各市役所の担当者の意志が表れているようで、こういうわずかな違いが良いです。

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このように結局のところは、カタログがあっても分類が完璧にできる状態になりませんでした。しかし設置者名の違い以外に、デザインや警告文に注意を払わないと気が付かないような違いがことがあることがわかり、たかが犬糞看板とは言っても、奥が深い???ようです。
今回は以上です。続編を後日アップします。

この記事へのコメント

  • やくも3号

    しなの7号様 こんばんは。
    自動車趣味仲間に、某鉄道会社の看板を製作している会社の人がいます。彼はアクリル板を切り出したり大型プリンターで出力するなどして、料金表、駅名板や駅時刻表などありとあらゆるものを作っているようですが、料金改定や新駅誕生のときは自分が作ったものを徹夜でエリア中の駅に掛け替えに行くのが大変なようで、何分で作業出来て何分で次の駅に移動できるかを前の日にシミュレーションするようです。
    メーカー側から提案することはあまりなく、鉄道会社からデータをもらって、それに従って忠実に作るのだ、ということで、『改変可能な既製品』の自治体看板とはまた異なりますね。

    各自治体にはメーカーからカタログが届けられ、担当者はそれを見ながら文言やアレンジを考えながら発注しているのでしょうか。ちょっとうらやましくあり、役所の発注担当者になってみたい気持ちになりました。
    しなの7号様なら、どの種類の看板をどのような文言のアレンジで発注されますでしょうか?
    2023年01月26日 18:25
  • しなの7号

    やくも3号様 こんばんは。
    モノによって注文や納入の形態は多種多様ですね。各地の犬糞看板を見ていくうちに、特定地方交通線を転換した多くの第三セクター鉄道が導入した軽快気動車に重なりました。メーカーの基本形があり、同一規格で設計されながら発注先によって仕様が異なるところに共通点が感じられ、趣味的に面白く感じます。

    看板でもカタログに載っている定形デザインを積極的に変更している自治体とそうでない自治体とがあることにも気付きます。それぞれの役所の担当者の思いや,メーカー側とのやりとりについて想像を巡らせてしまいますね。
    私が役所の担当者になって文言をアレンジするとしたら、後々自分が業務から離れたとき、自分が関わった看板だとわかるよう、人が気付かないような微細な違いを織り込みたいと思います。
    2023年01月27日 20:39

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