【1462】 「犬のフン…の看板」その後(10)

前回の続きになります。前回までに、M社のカタログに載っている定形デザインの文字や絵柄を一部変更した例が多数存在することを確認しました。今回もそういった例を含めて、このシリーズの3年間のブランクの間に初めて出会った「製品」や、同じデザインながら別自治体での「生存例」をアップしていきます。

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昨年初めて可児市内の現地調査?をしました。
M社「お忘れ・ワン」を見るはじめて見ました。
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カタログに「お忘れ・ワン」は、この1種だけ掲載されていましたが、「お忘れ・ワン(2)」がM社の新規デザインページで公表されていますので、上の画像は事実上の「お忘れ・ワン(1)」としておきましょう。

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画像左は、そのとき可児市で発見したもの。中央は熱海市内にあった熱海・伊東畜犬対策協議会の例、右は以前に掲載したことがある焼津市での例です。まったく同じように見える3枚です。M社のカタログでは、虹をバックにしたこのデザインは「レインボー・ワン」となっていました。ただし、カタログ上の「定形デザイン」にある下部の警告文は、これら3枚とは少し違っていました。

◆可児と熱海
「散歩中のフンは飼い主が責任をもってあとかたずけをしよう」
◆焼津
「散歩中のフンは飼い主が責任をもってあとかたづけをしよう」
◆カタログ
「フンは飼い主があとかたづけをしよう」

と、なっていました。
可児市と熱海市の「あとかたずけ」はエラー看板???
焼津市は市名が「やいづ」でもあることですし、「ず」と「づ」を区別することには慣れている???
その下の「他人に危害のないように気をつけよう」は、カタログと3者すべて同じでした。

ところで、画面中央の「熱海・伊東畜犬対策協議会」という設置者名が目新しく思いました。厚労省のHPを見ると、熱海保健所の管轄区域が熱海市と伊東市のようですから、保健所管轄下の組織だと推定します。では、熱海市内の犬のマナー関連の看板がすべて協議会名で設置されているかと言えばそうでもないようです。
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これはM社のカタログの「ノーリード(2)」です。上の「レインボー・ワン」にほど近い場所にあったのですが、設置者は「熱海市・静岡県動物保護協会熱海支部」とあり、設置者が「熱海・伊東畜犬対策協議会」ではありませんでした。「ノーリード」は放し飼い禁止を意味しており、美化や衛生を目的とした犬糞看板とはやや性格が異なっていますので管轄機関が違っているのかもしれません???

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このブログで犬糞看板を最初にご覧いただいた記事で、「鈴鹿支局特派員」様からご提供いただいたうちの1枚が、「犬山市」(画像左)と同じものでした。これはM社のカタログ上でいうところの「犬と少年(1)」でした。
画像中央は、その警告文を変更した北名古屋市の例です。自治体名がシール貼りされていますが、北名古屋市は西春日井郡師勝町と西春町が合併して誕生した市なので、設置場所から判断するに、その下には「師勝町」と印字されていたものと推定します。
画像右は「犬と少年(1)」の「違反すると罰せられることがあります」の警告文を省略した可児市の例です。以前に岡崎市の例で触れましたが、罰則に関わる文言に支障があったのでしょうか??? 条例がどうだとか罰則があるぞという文言はいかにも役所的で好感を持たれないだろうという配慮だというのなら、それはそれでよいのですが。。
この北名古屋市の警告文「散歩中のフンは飼い主が責任をもってあとかたづけをしよう 他人に危害のないように気をつけよう」には見覚えがあります。さきほどの焼津市の「レインボー・ワン」変形版とまったく同じなのですね。
あとひとつ、これまで見た可児市の看板のすべてで、設置者名に「可児市」「自治会」と併記されていることに気が付きました。これが可児市の方針と見ました。

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下の2つの画像は、上の「犬と少年(1)」と同じ人物と同じ犬が描かれているものの、背景や警告文が「犬と少年(1)」とすべて違っているということで、以前に比較したときの画像の再掲です。
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このうち画像左(春日井市)は、M社のカタログには「犬と少年(2)」として掲載されており「犬と少年(1)」のデザイン変更版ではなく独自の製品番号?を与えられていました。
画像右(犬山市)のほうは、カタログに掲載がないので「犬と少年(2)」をもとにした変形版と見ることができます。カタログ上での「犬と少年」シリーズは、今回掲載した(1) (2)の2種類しか掲載されていません。
この犬山市の看板では設置者名が「犬山市・管理者」となっているのに対し、ひとつ前の画像左「犬と少年(1)」では「犬山市」単独ですが、これまで掲載してきた犬山市の看板を見直すと設置者名が「犬山市・管理者」となっている例が他にも複数あり、「管理者」と併記した看板が犬山市では主流のようです???

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上の画像左はM社のカタログ上の製品名「パール・ワン」です。これは萩原町(現在の下呂市の一部)で見たもので、春日井市内の「○○5丁目町内会」と「瀬戸市」での画像とともに以前に掲載したことがあります。
上の画像中央(北名古屋市)は、今回初出で、「パール・ワン」とよく似たデザインながら警告文が異なる例です。これもカタログ上には掲載がなく、色褪せているので新製品とは考えにくいですが、「パール・ワン」の変形版なのでしょうか??? この警告文に着目すると、恥ずかし犬「犬のフン(1)」(上の画像右・前回アップした北名古屋市版の再掲)とまったく同じ内容であり同じ配置です。なので、中央の看板は、「犬のフン(1)」の変形版とも言えるわけで、「パール・ワン デザイン」と「犬のフン(1)警告文」の融合看板ということです。そういう考え方をしていくと、警告文の変更版と考えていた他の看板の中にも、デザインはそのままで他の看板からそっくり流用した警告文に差し替えた例や、その逆にデザインだけそっくり差し替え、警告文はそのままという例がたくさんあるのかもしれません。

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今回は以上です。続編は後日アップします。




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