前回の続きになります。このシリーズでは、今年に入ってから特定の環境美化看板製作会社の手による犬糞関係の看板をアップしてきました。今回はその会社のカタログに載っていないながらも、この会社の製品だと特定できそうな看板と、地方公共団体名で設置された他社製っぽい看板をアップしていきます。
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小牧市では他の市町では見ないデザインでありながら、M社の特徴が出ている例がいくつか見られました。まずこの2つです。
左右ともほとんど同じながら、文字の色や大きさに違いがあるので並べてみました。
M社のカタログに、上の画像と同じ看板がありませんでした。しかし、「マナーを守って楽しい散歩」と、まったく同じロゴとフォントで書かれ、飼い主といっしょに走る犬がデザインされた「犬の散歩(1)」というのがカタログに載っていました。「犬の散歩(1)」の実物を見たことはありませんが、よく似たレイアウトでありながら、描かれた飼い主・犬ともにまったくの別人別犬であり、背景もまったく異なっています。下に書かれている警告文も違っているので、その「犬の散歩(1)」の変形とも断定しにくいです。もしかすると、M社製の小牧市オリジナルデザインの可能性も??? そう思って描かれた背景を見ると、左の山の上には城らしき建物があり、その手前にはビル、背景右は市街地になっています。実際の小牧市を南側から見ると、小牧山の頂上には小牧市歴史館(小牧山城模擬天主閣)があり、その手前には小牧市役所があります。その右のほうには駅や旧市街地という位置関係になっており、描かれたビルが小牧市役所だと仮定すれば実際の小牧市の地理と一致します。左のビルが小牧市役所本庁舎(新庁舎)で中央が東庁舎です。看板ができたころ、少なくとも新庁舎はなかったはずで、以前にはその北側(小牧山側)に旧本庁舎がありましたから、看板に描かれているのは旧本庁舎なのかも?と想像を巡らせます。
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上の例のほかにも、小牧市内にはM社のカタログにないものの、M社製品の特徴が見えてくる犬糞看板をあと3例把握しているので、解明しながら進めていきます。
まずは上の左側の看板です。類似の犬糞看板はM社のカタログには見当たりませんでしたが、「リード・ワン(3)」(実物を見たことはありません)に、リードに繋がれたこれとまったく同じ犬が登場していましたから、この看板もM社製に間違いないでしょう。右側は以前に掲載したことがある尾張旭市内の看板です。同じ犬のようですから、これもM社製と考えられます。飼い主が持っている袋の中身が小牧市の看板とは違っています。そしてカタログ上の「リード・ワン(3)」には袋の表現自体がありませんでした。「リード・ワン」という看板は、名称からも想像できるように、犬の放し飼いを禁止する内容でしたから、犬のフンのことにはまったく触れないということなのでしょう。その「リード・ワン」の犬を犬糞用看板に転用するにあたって「中身の入った袋」を書き足したということなのでしょうか。
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続いて下の画像左です。
画像左はM社のカタログにある「イーゼル・ワン」の変形版だと思われます。描かれたイーゼルには警告文が書かれ、猫と犬がその前に並んでいます。「イーゼル・ワン」の実物を見たことがないのですが、カタログでは、小牧市の例とまったく同じ形状のイーゼルの前にいるのは犬2匹であって猫はいません。犬種もこの画像の犬とは違っていますが、まったく同じレイアウトでした。カタログの「イーゼル・ワン」に描かれていたのはどんな犬かと言いますと、画面右の看板(以前掲載したことがある尾張旭市のもの)に登場している2匹でした。
そして小牧市の看板のイーゼルに書かれた警告文
《ペットの「ふん」でみんなが迷惑しています。飼い主が必ず片付けてください。》
は、カタログに掲載されている「イーゼル・ワン」の警告文
《犬の「ふん」でみんなが迷惑しています。飼い主が必ず持ち帰ってください。》
とは違っていました。小牧市では犬のフンに限定せず、他のペットのフンにも言及したかったのでしょう。そして「片付けてください」より「持ち帰ってください」と、より処分方法をより明確にしたかったものと想像します。これは以前に「犬のフン(1)」で春日井市だけ「後始末をしよう」を「持ち帰りましょう」に変えていたのと同じ事情でしょう。フンを路上に放置こそしないが、側溝の中や、路傍の田畑や駐車場に捨てていく飼い主がいるからでしょう。
それでは画像左の小牧市の看板に出ている犬と猫は、どこから転用したものかということですが、M社のカタログの「犬猫の迷惑(4)」(現物を見たことがありません)に、同じ犬猫がペアで登場していました。以上のことから、上の画像の看板は左右ともM社製だと思われます。
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上の画像右(尾張旭市内)の看板に登場している犬2匹のうち、左側の犬(=カタログに掲載されている「イーゼル・ワン」の左側の犬)が猫といっしょに登場している看板を小牧市内で発見しました。それが下の画像の左側の看板です。これまでと同じで、M社のカタログにある製品のなかに一致するデザインの看板はありませんが、上の画像右の「犬猫の迷惑(2)」(既出)と全体のイメージが似ています。「犬猫の迷惑(2)」をもとに、警告文言と犬猫を変更した看板のように思えます。小牧市の看板で、変更された犬の素性は前述のとおりですが、では、お調子者のように見える猫(見え方には個人差があります)のほうはどこから来たものか?
実はM社のカタログには犬糞には関係のない猫に特化した看板も掲載されており、この猫は、カタログで「猫のフン(1)」「猫の迷惑(1)」「えさ・ダメ(3)」と、いくつもの看板に登場するM社の代表的?な猫であるようです。下の画像左が、同じ小牧市で見つけた「えさ・ダメ(3)」の看板です。明らかに同じ猫です。
ということで、小牧市の「犬猫の迷惑(2)」をもとに警告文言と犬猫を変更したと思われる看板も、M社製品であると判断しました。
この先は、M社らしくない看板に移ります。
上の画像右は岡崎市のものです。上の警告文は色褪せて判読が難しいですが、2行になっており
「犬のフンのあと始末は、飼主が
責任をもって行いましょう」
と書いてあるようです。
よそで見たことがないデザインで、飼い主・犬ともM社のカタログには出てきませんし、これまで見てきたM社のデザインや警告文体とも、やや違和感を覚えますので他社製品じゃないかと考えています。
以下、他社製品だと思われるものをアップしていきます。
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上の2つも岡崎市の例です。これらはシリーズものなのでしょうか???
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上2つは津島市の例です。どちらも以前に見た記憶があるので、以前の記事を見ていくと、左は多治見市で、右は塩尻市(デザイン違い)で、同じ犬がいました。それが下の画像です。
(両方とも比較のための再掲です。)
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中津川市と稲沢市。どちらも古そうです。
両方とも他に類似の看板を見たことがありません。もちろんM社のカタログに同じ犬は見当たりませんし、類似デザインも見当たりません。
津島市の2つと多治見市、中津川市の看板は、それぞれの市名のフォントが非常によく似ているように思いますので、納入メーカーはM社以外の同一看板納入業者による製品なのかもしれません???
こうした出所不明の看板も今後解明していかなければならない・・・などと考えてはいません。
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撮影した犬糞看板は、まだ個人向けの市販品らしき看板や私製の手書き看板、プリンターで紙に印刷した看板貼紙の類なども記録してありますが、長くなってしまいましたので、「犬のフン…の看板その後」シリーズとしては、今回をもって、いったん打ち切りといたします。特に私製の犬糞看板は、こうした公的機関が設置したものより表現が直接的で、設置者の感情が伝わってくる点において、現代社会の縮図的な看板本来の鑑賞?価値があったりします。また機会がありましたら続編があるかもしれません。
今後も犬糞看板のみならず、出かけた先で見つけた看板・掲示類、日頃の生活の中で集めた収集物の画像コレクションなどの記事を不定期的にアップしていく予定がございますが、自分でも相当にくだらないことと思っておりますので、付き合っていただく必要はございません🐶
この記事へのコメント
めた
あと、関係ないのですが、M社の「犬とマナー(5)」の看板は見たことありますでしょうか・・・
しなの7号
「イーゼル・ワン」の変型バージョンの看板の犬と猫、そのとおりですね。「犬猫の迷惑(4)」「犬とマナー(5)」も見たことがないです。