【1482】 変わりゆく風景(1):高蔵寺駅・八草駅・極楽駅

十年一昔と言いますが、自分の中では最近10年間はついこの前のように感じます。それは年齢のせいかもしれませんが、世の中の移り変わり方が、より速くなってきたのも確かだと思います。
一昔前の画像を見ると、今とは大きく変わったことに気が付くことも多くなったようです。今回はそうした一昔前の駅の画像と現況画像とを比較して、時の流れによる変化を確認してみようと思います。


▼中央西線高蔵寺駅ホームから名古屋方を見た画像
s-kozoji1.jpg

2003年11月に撮影しています。
ホームに接する線路は愛知環状鉄道のものです。いったん途切れた線路の先には一直線に敷かれた線路が中央西線の上り線に向かって敷かれ、その先で合流しています。愛知環状鉄道開業時から、ずっとこの状態で、線路はJR線とはつながりそうでつながっていませんでした。そのため、JRから愛知環状鉄道に乗り入れる検測車や団体専用列車は、国鉄岡多線時代から線路がつながっていた東海道本線岡崎駅を経由していたのでした。

その後2005年に「愛・地球博」が、愛知県で開催されました。名古屋から会場へのアクセスルートとして、JR東海の中央西線高蔵寺を経由して、リニモ(愛知高速交通)との接続駅となる愛知環状鉄道の八草駅(期間限定で万博八草駅に改称)へ直通する「エキスポシャトル」が運行されることになり、両鉄道の線路がつながることになりました。
s-kozoji2.jpg

こちらは、線路がつながったあと2018年12月にホーム先端で撮影した列車の画像です。「愛・地球博」の閉幕後は愛知環状鉄道に直通する定期列車が設定されるようになりました。画像の列車は臨時の団体専用列車「未来クリエイター☆家康」で、豊橋~岡崎~(愛知環状鉄道)~高蔵寺~名古屋~大府~半田と、これまでにない経路で運転されました。
2つの画像を比べると、背景も変わっています。病院が移転し、跡地にマンションが建っていることがわかります。

▼愛知環状鉄道八草駅
s-027八草.jpg

2003年4月に撮影した画像です。ホームは短く4両対応の長さしかありません。画像左奥に線路をまたいでいる高架橋は猿投グリーンロード。その手前に足場が組まれているのは、建設中のリニモの八草駅部分です。

▼下は2003年10月に同じ場所で撮影した画像です。
s-136八草.jpg

愛知環状鉄道側でも「愛・地球博」会場への乗換駅としての改築工事が始まりました。JRから乗り入れてくる10両編成に対応するためにホームが2倍以上に延伸されるのです。画面左奥ではリニモとの乗換を考慮して新築される橋上駅の鉄骨が組まれ始めました。
「八草駅⇔名古屋駅を直通運転」と書かれた横断幕も見えますが、工事に伴ってホーム上の上屋が取り払われ、反対側に新設された仮ホームの上屋が見えています。

▼2004年1月に撮影した画像です。
s-04012813.P1280006.jpg

工事は着々と進んで、延長されるホームを支える鉄骨がリニモとの乗換口方面に続いています。駅の入口に覆いかぶさるように鉄骨が組まれていますので、既設ホームを延長するだけでなく拡幅もされることがわかります。

▼撮影月日不明ながら2004年に撮影したその後の画像です。
s-02010100.P1010013~1.jpg

ホーム工事はかなり完成しています。左の鉄骨工事は、「愛・地球博」会期中だけ使用される降車専用改札口を含む仮駅舎とリニモへの乗換客の待機スペースになる部分です。在来の駅舎はすでに機能を終えているようです。


▼翌2005年の「愛・地球博」開催期間中の「万博八草駅」
s-P9230101.jpg

185日間の「愛・地球博」開催期間中は賑わいをみせた「万博八草駅」。ここからは新設された駅入口やリニモとの乗換口を見ることはできません。在来の駅舎部分はなにも機能しておらずホームの土台と化して、ホームへの階段もふさがれていました。

▼愛・地球博閉幕翌年(2006年)6月の様子です。
s-P6240045.jpg

仮駅舎やリニモへの乗換客の待機スペースは撤去。10両対応だったホームは岡崎方が一部撤去されて、駅自体がリニモの乗り換えに便利な高蔵寺寄りに移転した格好になりました。残ったホームは、短くなっただけでなく幅も半減し、テント張のホーム上屋は折板屋根の恒久的なものに置き換えられました。
その姿がすっかりわからなくなっていた旧駅舎(画像右)が姿を現しましたが、旧駅舎は復活することはなく、その直上部のホーム跡が遺跡のようになっています。
撤去されたホームの資材は、その後、岐阜県の明知鉄道に2008年に新規開業した「極楽」駅でも再利用されているとのことでした。


その明知鉄道「極楽」駅。
▼下の画像は開業翌年2009年11月に撮影した画像です。
s-goku1.jpg

ホームに使われているコンクリート板は、かつて自分が万博八草駅で踏んだものかもしれないと思いながら駅を眺めてみますが、非常にシンプルな無人駅だこと。明知鉄道の有人駅では「極楽ゆき」乗車券やグッズなども発売していますが、駅名に魅かれて訪れても極楽らしさ?がありませんでした。そこで2019年には下の画像のように改修されました。
s-goku2.jpg

▲撮影したのは改修翌年2020年12月です。既存の待合室をそのまま利用して、極楽感?を出すべく装飾されていました。

この記事へのコメント

  • やくも3号

    しなの7号様 こんばんは。

    『【1321】あの年の11月8日』のところで極楽駅についてコメントさせて頂きましたが、もう3年近くになることに驚きます。
    一度訪れてみたいと思いながら、まだ行けていません。。
    お写真では、駅待合室のデザインが、ショッピングモールのフードコートの中華料理屋さんみたいな感じで、なかなか食欲をそそられます。
    2023年08月31日 20:08
  • しなの7号

    やくも3号様 こんばんは。
    極楽駅のコメントをいただいた翌月に「車掌区時代の先輩2人と私の計3人で行く温泉旅」(日帰り)に引っ掛けてリニューアルされた極楽駅に立ち寄り撮影しました。いつか画像をアップする機会があるだろうと思いながら3年近く。月日が経つのは早いですね。
    ホンモノの極楽とは中華風なのでしょうか。実際に行って戻れた人がいないらしいですから不明ですが、仏教が中国を経由して伝来したことからすれば中華風も不自然ではないように思えなくもありません。でも「フードコート風」なのがチープ。。。画像をよく見ると室内に仏像が鎮座しているのがわかりますが、発泡スチロール製でした。さらに時を経れば理想郷の極楽に近付いていくのではないでしょうか。
    2023年08月31日 21:34

ブログ内ラベルリスト