ビスコの空き箱についての後半です。
前回は昔からある赤箱ビスコの箱を見てきましたが、派生商品とでもいうべくビスケット部分やクリーム部分を変更した商品は、いくつか見掛けます。
下の画像は現行の5枚×3パック入りの一般的なサイズのビスコで、赤箱を含み4種類があります。
▲上段左:ビスコ(赤箱) 上段右:ビスコ 発酵バター
下段左:ビスコ いちご 下段右:ビスコ メープル
クリームとビスケットの組み合わせは、箱の裏面の説明によれば以下のようになっています。
「ビスコ(赤箱)」は、ミルククリームとビスケット
「ビスコ 発酵バター」は、バニラクリームとバタービスケット
「ビスコ いちご」は、いちごクリームと全粒粉入りミルクビスケット
「ビスコ メープル」は、メープルクリームと全粒粉入りミルクビスケット
すべて、「ビスコ」の売りである乳酸菌入りクリームです。このラインナップは昨夏から始まったようで、秋には多くの店頭が従来のラインナップから移り変わっていきました。それまでのラインナップはやはり4種類でしたが、下の画像のように2種類が入れ替わり、継続販売された2種類も箱のデザインが違っていました。
▲上段左:ビスコ(赤箱) 上段右:ビスコ 発酵バター仕立て
下段左:ビスコ 焼きショコラ 下段右:ビスコ 香ばしアーモンド
クリームと「ビスケット」の組み合わせは、箱の裏面の説明によれば以下のようになっています。
「ビスコ(赤箱)」は、北海道産ミルクを使ったクリームとビスケット
「ビスコ 発酵バター」は、バターミルク入りクリームと発酵バター仕立てのビスケット
「ビスコ 焼きショコラ (カカオマス入り)」は、チョコレートクリームとガーナ産カカオマスを練りこんだビスケット
「ビスコ 香ばしアーモンド(小麦胚芽入り)」は、ローストアーモンドを練りこんだクリームと、小麦胚芽とアーモンドプードル入りのクラッカー
ここで注目すべきは、「ビスコ 香ばしアーモンド」だけが、「ビスケット」ではなく「クラッカー」となっている点です。
それでは…ということで、箱側面にある名称・原材料表示を見ると、今回アップしている8種類の空き箱のうちで「ビスコ 香ばしアーモンド」だけが、名称が「ビスケット」ではなく「クラッカー」とされています。改めて、この記事の上2つの画像にある8個の箱表面を見ると「乳酸菌クリームサンド」と表記されていることが共通していますが、「ビスケット」という表記はどこにもありません。つまり「ビスコ製品=ビスケット」ではないということになるようです。
そこで「全国ビスケット協会」のオフィシャルサイトを見たところ、ビスケット類には、ハードビスケットのほか、クラッカー、乾パン、カットパン、プレッツェル、パイ、またはそれらの加工品があると書かれています。そういう定義であれば、「ビスコ製品=ビスケット」ではないにせよ、「ビスコ製品=ビスケット類」ということでよいのでしょう。
それでも私が子どものころからある赤箱のビスコはクリームサンドビスケットでした。その長い歴史の中で派生商品や新シリーズが出てきたわけです。いつごろから、ビスコに派生製品が発売され始めたのかはわかりませんが、2008年ごろ購入した2種類のビスコの箱の画像が残してありますので、ご覧ください。
▲左:ビスコ クリームサンドビスケット(赤箱)・・・前回掲載したもの
右:小麦胚芽入りクリームサンドクラッカー
この時代には、箱表面を見ればビスケット・クラッカーの区別が容易にできました。もちろん箱側面にある名称欄は左が「ビスケット」で右は「クラッカー」でした。
このときは赤箱ではないビスコが珍しいと思って買ったような記憶ですが、「小麦胚芽入りクリームサンドクラッカー」は、今は発売されていません。
前回にビスコ(赤箱)には「2枚×13パック(26枚)入り」と、「2枚×12パック(24枚)入り」があると書きましたが、「小麦胚芽入りクリームサンドクラッカー」にも同様の商品がありました。
▼下は2枚×12パック(24枚)入りの「小麦胚芽入りクリームサンドクラッカー」と「赤箱ビスコ」の展開した箱の画像です。
この「2枚×12パック(24枚)入り」は、どちらも現在は発売されていません。その代わりに「2枚×12パック(24枚)入り」にしかない「素材の恵み」という括りの別商品が現在2種類が発売されています。(赤箱もこのサイズでは現在発売されていないようで、オフィシャルサイトに掲載がありません。)▲左:「素材の恵み【全粒粉クラッカー】チェダー&カマンベール」
右:「素材の恵み【大豆ビスケット】みるく&きな粉」
どちらも「5枚×3パック入り」の一般的なサイズでは発売しておらず、箱入り商品では「2枚×12パック(24枚)入り」だけのようです。
このほかにも変わったビスコの空き箱の画像を撮影してあります。
下は2013~2014年ごろに期間限定で発売されていた「80周年スペシャルビスコ」の箱の画像です。
▼左:発酵バター入りクリームサンドビスケット
右:発酵バター入りクリームサンドビスケットいちご
どちらも「5枚×3パック入り」の一般的なサイズでした。発酵バターやいちごクリームを使用した商品は現行商品ラインナップにもありますから、この「80周年スペシャルビスコ」が発展したと捉えてよいのでしょうか。 あと10年もすると100周年を迎えることになりますから、長い歴史がある商品であることに驚きます。「素材の恵み」シリーズなど、明らかに大人向け商品でしょうし、「おいしくてつよくなる」という定番のメッセージが現行製品では小さな文字に変わっていることや、こだわりのラインナップを見ても、100年の歴史の中では、「子供の菓子」から大人も食べる菓子として購買層を厚くしたのだと思われます。その結果「クラッカー」が加わって、かつて、箱表面にあった「クリームサンドビスケット」という表示が、すべてのビスコ製品で「乳酸菌入りクリームサンド」に統一されたのかもしれません。(前回の再掲画像です。)
この記事へのコメント
やくも3号
ミニ四駆やプラレールをスマホで操作できるようにして楽しむ大人が増えているように、子どものころに親しんでいたものを大人になってまた購入するという『ノスタルジー消費』が増えていると聞きましたが、ビスコの場合は子どものころから継続して買われているのか、大人になってから懐かしさをもってまた購入されている方が増えているのかどちらが多いでしょうね。
ミニ四駆やプラレールは子供のために買ったはずが、お父さんがひさびさハマってしまった例もよくありますので、それに似たものなのでしょうか。
” おいしくてつよくなる! ” といったキャッチフレーズが、” 一粒300メートル ” に共通する前向きなもので、グリコらしさを感じます。
” 一粒300メートル ”という言葉は、かつて大阪駅を過ぎたところにある江崎グリコの工場に掲げられていて、こどものころは岡山に帰る車窓からそれを眺めて尼崎が近いことを感じていました。同様に、” 今日も元気だタバコがうまい ” という東海道線茨木駅近くの専売公社の看板や、” 日に一度 パンをかかさぬ 母の愛 ” という神戸屋パンの工場(場所は忘れました)は記憶に残っています。
しなの7号
昭和の時代から頑なにキャッチフレーズや商品デザインのイメージを変えずに親・子・孫へと代々受け入れられる菓子類は他にもありますし、復刻版パッケージもたまに発売されたりします。長くご無沙汰していたオモチャ売場に子連れで行ってミニ四駆やプラレールに惹かれるのと同じように、菓子売場で自分の子供のころからあるロングセラー商品があることに気付いて、子に買い与えるだけでなく、親がそのお菓子にハマることがあるのかもしれないですね。メーカーさんもそれを読んでいて派生商品の開発をされておられるのでしょうか。
子供のころ、菓子や看板にある「グリコ」のフォントが「ワ゛リ コ」に見えてしかたがありませんでした。
うさお
職場の100円グリコにありましたが、手が伸びてしまいます。
しなの7号
昔からの定番菓子という安心感があるからかもしれません。
うさお
しなの7号
私もそこに行ったことはありませんが、企業博物館とか工場見学は楽しいです。
木田 英夫
「日に一度 パンを欠かさぬ 母の愛」の神戸屋のパン工場は、阪急京都線の淡路駅近く、河原町行きの電車では淡路を出てしばらく走って新幹線と交差する手前右側に見えます。ご参考までに。
「今日も元気だ。煙草が美味い」というキャッチフレーズ、今日では余りおおっぴらには言えない雰囲気ですが、今でもこの看板はあるのでしょうか。
こんなところにも、時の流れを感じてしまいます。
今年もいろいろとお世話になりました。ありがとうございます。来年もどうぞ宜しくお願い致します。木田英夫
しなの7号
私は岐阜県の田舎育ちなので、子供のころには神戸屋パンが生活圏内にはなくて、まったくなじみがありませんでした。
自分が喫煙していた20歳前後から「今日も元気だタバコがうまい」の標語?は知っていましたが、日本専売公社の茨木工場は今はイオンモールになっていますから看板どころか工場自体がありません。名古屋でも、大曽根から専用線が分岐していた専売公社名古屋工場跡地がイオンモールになっています。喫煙者の皆さんは肩身が狭い思いをしておられるでしょうが、これから先も「たばこ特別税」で国鉄の債務返済に貢献していただくことになるので感謝?しなければなりません・・・
来年もよろしくお願いいたします。