【1503】 中央西線名古屋口の211系を偲ぶ(3)

今年は例年より遅れながらも各地で桜の開花が報じられています。そこで今回は春日井市内の中央西線沿線に咲く桜と211系のコラボレーション画像を集めてみました。古い順に掲載していきます。

▼高蔵寺―定光寺 1996年4月
s-96‐4385.jpg
高座山の麓で、このあたりが濃尾平野の縁にあたります。このころの中央西線にはまだ国鉄から引き継がれた車両が多く残っており、当日のネガには、103系・113系・381系が写っています。
そういえば「昭和47年7月豪雨」のときに、この付近で崩れた土砂に突っ込んだ70系普通電車が脱線転覆しています。開通後しばらくしてから通過する列車の車窓から、転覆して法面に転落した車両を見たことを記憶しています。この「昭和47年7月豪雨」では、この地方では東濃鉄道駄知線で土岐川鉄橋の橋桁が流出し、運転休止期間を経てそのまま廃止になってしまいました。もう50年以上も前のことですが、忘れられない災害でした。

▼勝川―春日井 2010年4月8日
s-R0011038.jpg
背後にある水林公園の桜を入れてみました。この後しばらくして公園の背後にマンションが建築されました。気付かないうちに周囲の風景も走る列車も変わっていきます。

▼高蔵寺―神領 2012年4月8日
s-RIMG1399.jpg
高蔵寺駅の神領寄りに新繁田川があり、そこに桜並木があります。川の名称に「新」が付されていることから想像できるように、高蔵寺ニュータウン造成に合わせて「旧繁田川」の流路を変更してできた新しい川です。


▼高蔵寺 2014年4月1日
s-RIMG9200.jpg
昨年、「高蔵寺駅改築記念植樹」の石碑のことに触れましたが、これがその石碑から数メートル東寄りにあった桜の木です。桜並木は一部伐採され歯抜け状態のままで、この写真に写っている木も現在は切り株だけが残っています。

このさき、また新繁田川の桜が続きます。
▼高蔵寺―神領 2017年4月8日
s-R0047090.jpg
市内に桜の名所はいくつもありますが、中央西線の列車が見られる新繁田川には桜の時期によく出かけました。

次の2枚も新繁田川で、高蔵寺―神領 2021年3月30日▼▼
s-DSC00530.jpg
s-DSC00545.jpg

 

次の写真も新繁田川 高蔵寺―神領 2022年3月30日▼
s-DSC02936.jpg
この2022年は315系が活躍し始めたばかりのころで、コロナ禍真っ只中でした。

この年は、新繁田川へ行った翌日にも 高蔵寺―神領間へ出かけました。
次の3枚も 高蔵寺―神領2022年3月31日▼▼▼
s-DSC03047.jpg
s-DSC03087.jpg
s-DSC03115.jpg
上の3枚は新繁田川からさらに神領寄りにある気噴南公園にある桜の木です。この公園は、211系を模した外装の公衆トイレがある大垣戸公園と313系を模したトイレがある足振公園との間に位置します。新しい公園なので、ここにある桜の木は小さいのですが、この木もあと数年もすればもっといっぱい花をつけることでしょう。

そして次の写真が昨年の新繁田川です。
高蔵寺―神領 2023年3月27日▼
s-DSC05789.jpg
桜の時期の平日にこの場所に行くと、あちこちの高齢者施設の自動車が来ていて、入所者の皆さんがお花見をしている場面によく出くわしました。私の義母も、ここからそれほど遠くない高齢者施設のお世話になっていたので、この年もきっと連れてきてもらっているのだろうと思いながら撮影をしていたのですが、しばらくして施設から、ここで写してもらった写真が送られてきました。写真には、この翌日2023年3月28日の日付が写し込まれていました。

ここの桜並木を毎年のように見上げていますが、そのとき咲いていた花はその時の花であって、今年見る花、そして未来に見る花は別の花です。桜を見る人のほうも、過去にここで桜を見たときとは、置かれた状況や心境が違っていることでしょう。それだけでなく、その人がその次の年に桜を見ることができるとは限りません。
あれからまた1年が経ち、春がやってきました。例年より開花が遅い新繁田川の桜ではありますが4月上旬には満開を迎えると思われます。昨年この桜を見た義母は、その後しばらくしてから亡くなり、今年の桜を見ることはできなくなりました。そして211系もまた新繁田川で見ることはもうありません。

この記事へのコメント

ブログ内ラベルリスト