毎月、その月に因んだ楽曲を1曲ずつ選んで語っています。選曲にあたっては個人的な志向や趣味に偏ります。昭和の時代に発表された曲が多くなると思いますが、必ずしも昭和のヒット曲とも限りません。なお、私は音楽や詩の世界にはまったく通じていませんので、作詞者が描いた世界とは外れたことを語ることもあると思いますがご容赦願います。楽曲や作詞作曲者歌手について知らないことやデータなどはWikipediaとCD等のライナーノーツを参考にします。
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8月の歌は、山下達郎さんが歌う「さよなら夏の日」としました。
さよなら夏の日
作詞: 山下達郎
作曲:山下達郎
編曲:山下達郎
波打つ夕立のプール
しぶきを上げて
一番素敵な季節が
もうすぐ終わる
「時が止まればいい」
僕の肩で
つぶやく君 見てた
※さよなら夏の日
いつまでも忘れないよ
雨に濡れながら
僕等は大人になって行くよ※
瞳に君を焼き付けた
尽きせぬ想い
明日になればもうここには
僕等はいない
めぐる全てのもの急ぎ足で
変わって行くけれど
君を愛してる
世界中の誰よりも
言葉じゃ言えない
もどかしさ伝えたいよ今も
ごらん最後の虹が出たよ
空を裸足のまま駆けて行く
どうぞ変らないで
どんな未来
訪れたとしても
(※くり返し)
さよなら夏の日
僕等は大人になって行くよ
◆Youtube: https://www.youtube.com/watch?v=_paXh_LgwmM
(ワーナーミュージックジャパンの公式チャンネル)
ハイテンションの夏の歌が多い中で、8月の歌としては、暑い夏の終盤が描かれるバラードのこの曲が自分の感覚にぴったり来ます。
山下達郎さんのベストアルバム「TREASURES」のライナーノーツに、達郎さんは、「夏の終わりにガールフレンドとプールに行って夕立に合い虹を見たという、高校のときの思い出を多少粉飾(?)して作った、そのせいか(??)とても愛着のある作品です。」と書いておられます。
平成時代になった1991年の発表曲ですから、達郎さんが高校生のころにリアルタイムで創られた曲ではなく、「雨に濡れながら」大人になって「高校のときの思い出」を作品にされたということだと思われます。そして聴く側の私も同じで、すでに家庭を持ち子供がいる年代になってから知った曲です。
「時が止まればいい」というものの、「映る全てのもの急ぎ足で変わって行く」儚さを知り、幾多の「雨に濡れながら」大人になって、あのころの自分に想像もできない自分がいることに気付きます。
プールサイドにしぶきを上げて降る夕立は、2人が大人になって行くときに降られる雨に他なりません。さよなら夏の日・・・そして空には虹!
この曲のシングルCDは私の手元にはあいにくありませんが、ジャケット写真には、一直線に先に延びている線路上に立っている犬が描かれています。
▼下はワーナーの公式サイトにあるジャケット画像
https://wmg.jp/tatsuro/discography/3506/
その時の高校生は、このさき訪れる未来に希望を持って見つめていたはずですから、線路の先を見つめる犬は、その心情を象徴しているのでしょう。
この線路、狭軌っぽく見えないので、海外での撮影でしょうかね?
ところで、この記事の歌詞末尾に貼ったURLはワーナーミュージックジャパンのYoutubeの公式チャンネルにあるMVです。映像は藍にいなさんというアニメーターの制作によるアニメで構成されているのですが、その中にも犬と線路が出てきます。
先に延びていく線路は、未知の人生につながるものがありますね。
この画像はディーゼル機関車が緩急車1両だけを牽いてゆっくりと遠ざかっていく様子です。固く連結された2つの車両には急勾配が待ち構え、二手に分かれる分岐点もあるでしょう。この先どこかで切り離されて別々の線路を進むことになるのか? ずっと終点までいっしょなのか?
◆参考にしたサイト等
アルバム「TREASURES」ライナーノーツ
Wikipedia:山下達郎・山下達郎の作品一覧・さよなら夏の日・ARTISAN・藍にいな
◆(SeesaaブログではJASRAC管理楽曲の歌詞掲載が可能とされています。)
https://info.seesaa.net/article/409706387.html
https://www.jasrac.or.jp/smt/news/12/1212_1.html
この記事へのコメント
NAO
さよなら夏の日は保険会社のCMがすごく印象に残っています。
https://www.youtube.com/watch?v=TVdLY_amHMM
ご紹介戴いたジャケットと同じ光景ですね。
犬なら犬走りを歩いて行って欲しかったです(笑)。
ディーゼル機関車と緩急車の光景は以前の酒蔵沿線のストーリーを思い出しました。
しなの7号
この楽曲はこの生命保険会社のCMソングとして制作されたものだそうですから、CDジャケットもCMの映像を使ったということでしょうかね。たしかにCMに使用された楽曲の印象は、後々までCMの映像やストーリーと結び付いて離れないものです。
やくも3号
山下達郎さんの曲でも ” 踊ろうよ、フィッシュ " のように歌詞が『愛してるよ』の連発で、夏真っ只中のものとは趣が異なりますね。
https://youtu.be/WCgBW5h_Opo
"さよなら夏の日 " と”象牙海岸 " は実はセットなのかもしれません。
クリケット。。ゲートボールのことでしょうか。。
しなの7号
「踊ろよ、フィッシュ」のCMは国鉄が分割民営化された年だったんですね。「山下達郎といえば夏」というイメージが作られたのは、私が国鉄で貨物列車に乗ってるころだったでしょうか。。。国鉄は自主的に再建すべきもので、民営化のうえに分割だなんて誰もが思ってなかったころです。でも国鉄でも人生でも、すべてのことにおいて暑い(熱い)夏は必ず過ぎ去るものなんですよね。でも次の年には必ず春が来るように、いつかは光が見えるもの。「さよなら夏の日」のなかの「虹」はその象徴じゃないでしょうか。
「象牙海岸」の主人公にしても、3年かかったけれども「懐かしい名前に忘れているふり」ができるようになっていたわけで、暑い夏は終わっても、いつか希望の光は誰に射してくるのです。
今年の特別暑かった夏も迷走台風とともに一段落。昨夜もコオロギ(crickets)の声が聞こえ、季節は確実に移っていることを感じていました。
(球技でなく、コオロギのほうの意図でした😁)
おんたけ号
こんにちは。
小生、山下達郎氏と言えば「コーラスを重視」、「コーラスが素晴らしい」
と言うイメージです。
「クリスマス・イブ」の間奏のコーラスも素晴らしいですが、小生のオキニ
はコークのCMソングです。アカペラとコーラスが実に良いです。
(冬の曲とは真逆ですが、夏らしい、さわやかコークです。冬と言えばクリスマスの時期は、ご夫婦で稼いでいると世間ではよく言われていました。)
余談ですが、小生は高校生の時から現在まで、竹内まりやさんの大学時代
の先輩の方のファンです。
またまた余談ですが、本日18きっぷ消化で旧逢坂山隧道とKATO京都店に
訪問して来ました。昨日がハードだったので、のんびりスタート。
勝川で乗車した際、同時に乗ったおっちゃんがレチ氏に長浜までのキップ
を求めており、やはり自動券売機では操作がよう判らんのだなと。
又、それを見ていた別のおっちゃん「電車の中で買えるのか!」と驚いた
ご様子。
まあ小生も名古屋周辺で車内で買っている人は初めてみましたが。
(武豊線は別として。これも無人駅になった弊害?)
以上、脱線、長文失礼しました。
しなの7号
達郎さんコカが歌うコカ・コーラのCMは存じませんでした。
Youtubeで先ほど見ましたら、いかにも達郎さんらしい多重録音の一人アカペラですね。音作りの職人だなあと思います。コカ・コーラのCMには杉真理さんのもあるようで。
旧逢坂山隧道へは、8年前に中山道歩きの続きで膳所から山科までの徒歩旅の途中で立ち寄ったことがあります。往復は18きっぷでしたが、近年は鉄道旅自体ご無沙汰です。
KATO京都店には行ったことがないです。今年春に特製品「C12 42号機ゼブラ塗装中津川機関区」が発売され食指が動きかけましたが、きれいすぎて実車の汚さとの乖離が気になりました。
木田 英夫
「二手に分かれる分岐点」。乗り換え駅のように、案内の看板があってここが(人生の)分岐点だなとわかるケースもあれば、駅と駅との間に分岐点があって、知らない間に過ぎていた。という場合もありますね。
例えば、大阪環状線と大和路線。路線図では天王寺で分かれていますが、環状線電車と大和路快速は、手前の新今宮駅と今宮駅との間で、既に振り分けられています。高速道路のような、分岐点手前の案内標識はもちろん有りません。
人生の分岐点も、知らない間に通り過ぎていて、後から「あの時にこうしていたから、今の自分があるんだな」と想い起すことが多くなりました。
いつもありがとうございます。木田英夫
しなの7号
知らない間に通り過ぎてしまった分岐点。鉄道の事故でもときにはあります。決められた進路を進まなければならないのに、分岐点の信号機を見誤り、または指令員の誤った指示によって、異線進入してしまうこと、それに停車すべき停車場を通り過ぎてしまうことなども。そのどちらも後続のダイヤを乱さないために、よほどのことがなければバックはしません。自動車なら少しのことならバックするとかUターンだってしようと思えばできますが、鉄道と人生は、後戻りすることが簡単にができないのが似ているのではないかと。いったん進路を誤って、しまったと思っても後の祭り。
似てないこともあります。列車は終着駅が決まっているのに、人生の終着駅がどこなのか誰にもわからない。
けれども、どの進路に進んだとしても、その進路でしか見ることができなかった虹を見る瞬間があるものです。その虹を見ることができる幸せを積み重ねながら、どこになるかわからない終点までたどり着きたいものです。
おんたけ号
こんにちは。
杉さんのCMソングの事まで確認戴き、恐縮です。
KATO京都店特製品、名古屋の赤NPに惹かれましたが、最近GM社のJR東海
クモヤ90形が入線したばかりなので、ここは我慢の子でした。
但し、中津川の青NPが再度発売となったら即買いと思います。
個人的には777号機が希望です。
現在、125号機と200号機の2台体制なので3台になる事になりますが。
ちなみに200号機は、KATO2016-8 D51 200を購入し、黒、赤2種のNPの
赤を青塗りし2016-6に取り付けています。
この200号機ですが、梅小路時代と中央西線時代を並べると、ランボード
が白で美しい梅小路時代ですが、やはり長工式が付いているほうが力強い
ので中央西線時代が良いかと。
だけど、がんばれSLやまぐち号!今度は壊れるな!
(今年の正月、京都鉄博に行ったら修理中でバラバラでした)
またまたの脱線で失礼しました。
しなの7号
うちのD51は中津川の125号機と265号機の2両体制です。(ナンバーは黒ですが)
「さよなら夏の日」の「夏」は青春時代の比喩でしょうが、それは自分には蒸機の最末期に重なります。
「どうぞ変らないで どんな未来訪れたとしても」
半世紀後の今、200号機は「変らないで」本線を走ってます。容姿はあまりにも若作り厚化粧でちょっと残念です。一方で半世紀前の夏「瞳に焼き付けた尽きせぬ想い」を抱いた827号機には中津川時代そのままの集煙装置・青ナンバーが今も活かされています。こんな「未来が訪れる」とは思いませんでした。
両機とも今も生きていることに感謝です。